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ダイヤモンドの女神  作者: 駿河ギン
6章 ダイヤモンドの女神は微笑む
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大嫌いな野球の神様、見ているか?

 正直、俺も怖い。現実を見るのが。

 もしも、グラウンドに誰もいなかったらどうしようか?

 とりあえず、真理子先生を使って四之宮がいる良長川女子野球クラブに連絡を取る。それで有紗をクラブに入れてもらえないか話をする。クラブってことはそれなりにお金がかかる可能性がある。そうなったらその会費は俺が払う。あれだけの才能を持った子がこのまま何もせずに消えてしまってはいけない。それが野球の神様に見放された俺の悪あがきだ。

 真新しいグローブを原付のボックスの中に入れて原付を走らせる。高架下をくぐって少し走って交差点を曲がって小道に入った先。ちらちらと星美高校生徒とすれ違う。そして、校舎が見えてきて緑色の高いネットが見えてきた。

「…嘘だろ」

 ネットの先。そこには誰もいなかった。

 大嫌いな野球の神様。今、俺の目の前に来い。ぶん殴ってやる。あんな野球をやりたいだけの健気な女の子をこれ以上いじめるな。現実を地獄を見せるな。地獄を見るのは俺だけで十分なんだ。

「くそ!」

 引き返そうとしたときだった。

「あれ?下僕じゃない?」

 聞いたことのある呼び名だった。

 振り返るとジャージ姿の雪音がそこにいた。

「どうしたの?雪音ちゃん?」

 後ろには凜子もいた。

「えっと、誰だっけ?」

 凜子は相変わらずの記憶力だ。

「下僕よ。野球部のコーチの」

「あ!先生か!」

 思い出してもらえるだけいいか。

「ふたりは何をしてるんだ?」

 他の子達は?

「私たち?」

「うちらは、もちろん―――」

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