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ダイヤモンドの女神  作者: 駿河ギン
5章 今度は負けない
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プレイボール

 良長川女子野球クラブのスターティングオーダーは以下のとおりだ。

一番、ファースト、一瀬瞳。

二番、セカンド、二葉文香。

三番、サード、三村美佐江。

四番、ピッチャー、四之宮詩織。

五番、ショート、五十嵐いのり。

六番、キャッチャー、六道ローラ。

七番、レフト、七尾奈々枝。

八番、センター、八王子初音。

九番、ライト、九条胡桃。

 前回とまったく同じオーダーだ。

 対して星美高校のスターティングオーダーは以下だ。

一番、サード、冬木雪音。

二番、センター、林田凜子。

三番、ピッチャー、綾元有紗。

四番、キャッチャー、観月ミキ。

五番、ファースト、田辺恵美。

六番、ショート、神野右樹。

七番、セカンド、神野左樹。

八番、レフト、黒根七海。

九番、ライト、高山桃香。

 依然とは違い大きく守備位置、打順を変えた。守備は早い段階で決めて打順はバッティング練習をみて決めた。有紗とミキを除いて打撃一番うまいのは雪音だ。毎日放課後にバッティングセンターで鍛えた腕は伊達じゃない。打撃センスを期待して1番においた。凜子を2番に置いたのは雪音と同様塁に出やすいと考えたからだ。バットに当てるのは何とかできる。前に飛べば後は持ち味の俊足で塁に出られる。そこでたまったランナーを経験者ふたりに返す算段だ。もちろん下位打線にも期待だ。

 ホームベースを境に整列する両者。

 向かい合う有紗と四之宮さん。前回は長身の四之宮さんの威圧感に怯えていた有紗も今日は堂々している。そんな有紗を見た四之宮さんは笑顔を見せる。

「今回は期待出来そうですわね」

「今度は負けませんから」

 人はそんなにすぐには変わらない。そんな事言ってる奴は今すぐ俺の前に並べ。そして、見てみろ。おどおどせず、威圧感に負けず立ち向かおうとしている有紗を見て人はそんなにすぐには変わらないと同じことが言えるか?

「さぁ、有紗。野球が楽しいのはこれからだ」

 時間になった。

「これより良長川女子野球クラブと星美高校との試合を始めます」

「お願いします!」

 少女たちの元気な声がグラウンドに響く。

 星美高校は今回も後攻。有紗が軽く肩慣らしにピッチングを行う。内野はボール回しをして、外野同士でキャッチボールをする。はやり、野球を始めて1ヶ月と半月。ぎこちなさは所々見受けられるがそれでもしっかり形にはなっている。相手は野球を始めて何年経っているか分からない。1ヵ月半前に野球を始めた初心者がどこまでやれるかわからない。

「ボールバック!先生のところにボールを戻せ!」

 姉御肌のミキの指示にそれぞれボールを俺のほうに戻してくる。

 弱々しく戻ってくるボールを回収してベンチの中へ。

「さぁ、始まるぞ。有紗」

 お前がやりたかった。大好きな野球が。

 グラブを胸に当ててホームベースに背を向けて目を閉じる。

「みんな!しまっていくよ!」

 ミキの威勢のいい掛け声にみんながおー!と答える。

 有紗はその掛け声を聞いてから振り返る。

「プレイボール!」

 初回の良長川女子野球クラブの攻撃が始まった。

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