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私ことリシン・グスターは、グスター男爵家の令嬢である。そして、つい最近までこの世界の住人でなく、なによりもこんな可憐で美しい少女ではなかった。
前までは地球という星にいて、そこの黒人だった。
そこであるとき外国の日本という国のアニメにハマった。
想像もしないような物語、そして子供や大人までもが入りやすいような絵が動いて、みんなを勇気づける。
一つのアニメでここまで心を温かくされるとは思ってもいなかった。
そして、日本という国には、そんなアニメが沢山あるという。
これは、行くしかない!と思った。
そう思った時に夢が決まった。
だからこそ、早速日本語を勉強した。日本には平仮名、片仮名、漢字といった3つがあり、少しだけ苦労した。
けれども、漢字一つにも物語があって一つの文字になってると学んだ時からは覚えやすくなった。
例えば「人」という文字には、人は1人では生きていけない。最低でも2人が支え合うことからこの形になったと学んだ時にはそれはそれは感動した。
日本語をマスターして、日本に旅行して思った。日本人は良い人が多い。それが普通になっていると。
どんな国にも良い人はいると思うが、良い人が普通という国はあまりないだろう。
そして、国の情報規制にも驚いた。他の国に比べて自由が多いのだ。
そうか、だからこそ、日本にはアニメが産まれたのだと思った。
日本にきてからは、それ以外でも驚きがいっぱいだった。
この国で生きたい。そう思う気持ちが大きくなった。そして、未来の夢が更に強くなった。
旅行が終わり国に帰って、更に日本の事を学んだ。
そして、やっとの思いで日本での生活が出来るようになり、夢の漫画家にもなる事が出来た。その時のニックネームはリシン・グスターにした。
何故その名前にしたかというと、リシンを英語にするとRISIN、グスターはGSTAR、合わせてRISING STAR、日本役で希望の星となる。この希望が満ち溢れている日本で私自身も希望を与えられる1つの星になるという気持ちをこめてこの名前にした。
漫画はそれなりに売れて、生活することも出来た。
そんな時に沢山のゲーム、それもなんとなくやってみたゲームのジャンルにハマった。
それは乙女ゲームだった。今までは男としてしかゲームに共感できなかったけれども、このゲームをやると自分が女の子になった気持ちになれる。
それからは、乙女ゲームにどっぷりつかり、挙げ句の果てにはリアルでもたまに女の子の口調になってしまい、白い目で見られる時がある。
漫画にも影響があり、それなりの乙女達に売れるような漫画を作ったりした。
そして、男として産まれたのは仕方ないから、逆に困ってる女の子がいたら私が助けてあげようという事で、私が乙女ゲームのヒーローのような存在になるんだという事で、そんな時に対応できるように肉体的に鍛えに鍛えまくった。種族的に黒人であることが良かったのか、筋肉がつきやすかったのもやる気の一つになった。
そんなある時に、私は突然現れた穴に落ちた。
そして、目の前が真っ暗になって次に見えるようになった時には、目の前にいかにも魔王的な存在がいた。
そして定番のセリフをいってきたので、私は考えた。
これがもしドッキリなのだとしたら・・、私が漫画家で呼ばれた可能性もあるのか?
ならば、最近私が乙女系の漫画を出してることも知っているはず。
これがもし異世界転移なのだとしたら、私の今の願いを叶えてくれるだけの力があるかもしれない。
どちらにしろ、私が願うことは決まった。
だから私は魔王と名乗るものに
「俺は、女の子になりたい!」
と答えた。
魔王はそれをみて驚いている。
だが私は気にせずにこと細かく言うと、魔王は笑い出して、そして私に魔法をかけてくれた。
そして私は男から女に性転換したのであった。
さらに、魔王と交渉して乙女ゲームのような舞台を作ってもらうことにした。
ただし、魔王に勝たないと結婚できないという条件付きで。
それを言っている魔王の顔をみると、この魔王が望んでいることが分かった。
ああ、この人は・・
この世界に疲れているんだなと・・
だから、異世界の人というイレギュラーを呼び出した。
希望を求めて・・
いいでしょう!私があなたを楽しませてあげる。貴方の希望になってあげるわ!
だから、この世界での名前は、そして貴方にとっては最後なのかもしれない、けれどね。これから始まるのよ。
貴方と私の物語が、
という意味を込めて、最後に魔王にこう言った。
「この世界での私の名前は、リシン・グスターよ!そして、最後じゃないわ!始まりよ!」
そして目の前がまた暗くなったのであった。