閑話 side召喚暗殺者の気持ち
この話は、召喚前の主人公のクラスメイトの話です。
ヤンデレ系かも?ヒロインでは..........無い........と思う。
閑話 side召喚暗殺者の気持ち
僕の名前は『霧隠 忍」と言います。
こんなしゃべり方だし、名前だからよく間違えられるけど、女です。
私の先祖は、真田十勇士の一人『霧隠 才蔵』だそうです。
そして現代まで血を絶やさず、技を絶やさず生きてきた家に生まれました。
そのせいで、三歳の頃から忍びの技を叩き込まれました。
そして、六歳の頃初めて人を殺しました。
うちの表向きは官僚を輩出する良家だが。
裏では、霧隠才蔵の技を受け継いだ暗殺者一家だったのです。
その所為か、もとからイカれていたのか。
私には人殺しに対して罪悪感がありませんでした。
人を殺して、何とも思わ無いのが可笑しいと、私が気づく事は無いでしょう。
そして、何百人何千人殺したかわからなくなりました。
そんな時に、私は運命の出会いをしました。
それは、中学の時です。
私は、暗殺の事を日常生活の一環と捉え始めた頃にその少年と会いました。
その少年の第一印象は、”空虚”でした。
何も無く、少し目を離せば消えてしまいそうな、そんな印象を受けました。
だが、それゆえに”美しい”とも思いました。
そして、その少年は『零識 白夜』とゆう名前だそうです。
だけど、気いてしまいました。
その少年の、”空虚”さや”美しさ”はもとからでは無く、生きている途中で構成されたのだと知りました。
そして、その時思いました。
あの人は、どの様な地獄を見れば、全てに絶望した様な目ができるのだろうと。
私も、忍びとして育てられた為、毒や拷問、電撃、などの訓練を受けてきました。
毒の入った料理を食べさせられ、無理やり毒への対抗を作られたり。
あらゆる拷問を受け、痛覚や拷問に耐える体を作らされ。
電撃をあびて、頭がおかしくなりそうになった事もありました。
それでもきっと、あの少年が受けてきた”地獄”に比べれば、蚊に刺された程度だと。
だって、その少年の空虚な目は、高潔で美しいなんて物じゃ無くて。
闇より暗くて、奈落よりも深い地獄で過ごした結果だと思ったから。
だって、あれは空虚な目じゃ無くて、全てに失望した本当の”無”だったんだから。
無。
何も無い、希望も未来も夢も、何もかもが無なのだろうと。
そして、僕は白夜君を好きになった。
理由はわから無い。
あの人の為になら、死ねると思いました。
あの人の為なら、全てを捨てても良いと思いました。
そんな時間が数年過ぎ、高校に入った頃不可思議な現象に巻き込まれました。
神と名乗る存在に会い、異世界に飛ばされたのです。
でも、僕は嬉しくなりました。
だって、これで白夜君の為に全てを捧げられると思ったから。
でも、僕の望みは叶わなかった。
召喚された場所に、白夜君はいなかったから。
でも、なぜだか死んだとは思わなかった。
多分、この世界のどこかに居るのだと思えた。
だから僕は、あの人の為に強くなろうと思った。
そうすれば、いつか会えると思うから。
それから一年経った。
僕らは、僕らを召喚した国で戦闘の訓練を受けていました。
でも、僕は国を出た。
夜中に、何人か殺して僕の死体を準備して。
だって、白夜君がこの大陸に来た気がしたから。
なぜか、会える様な気がしたから。
そして僕は向かった、エイルラート王国に。




