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天使が舞い降りた日

「こら!雅人早く起きなさい!!遅刻するわよ!!」



自室に響き渡る大きな声。俺は目を開けると眩しい日差しが俺の目に入り込んでくる。


どうやらもうそんな時間らしい。



俺は着替えを済ませて、階段をゆっくりと降りていく。リビングの扉を開けると、そこにはもうスーツを来た親父と怒りに満ち溢れている母さんと、いつもニコニコの我が妹瑞希がそこにいた。



「雅人!今日は入学式でしょ!!早く朝ごはん食べて支度しなさい!」



「わかってるよ母さん!」



俺は速やかに自分の席へと座り朝食であるベーコンエッグを食べ始める。



「おはよう!兄さん!」



「おはよう、雅人」



「おはよー。瑞希、親父」



いつものように挨拶をすませる。先ほど母さんも言っていた通り、今日は俺の高校の入学式なのだ。



入る高校は伝統溢れる螺旋学園と呼ばれる場所で、結構頭はいいと言う評判がある。



俺も入る気は全くなかったが近い学校がそこしかなく、勉強して何とか入ったというわけなのだ。



「兄さん!今日から高校生だね!彼女作らなきゃね!いっぱいエッチなことしなきゃ!」



「おい!我が妹よ!朝からそういうことはやめてくれ」



実は我が妹である瑞希は下ネタが大好きなのだ。つか最早変態と言ってもいいだろう。


「兄さん!今私のこと変態って思ったでしょ!?」



「ああ。だって変態だしな・・・。ごちそうさまでした」



俺はさっさと朝食を済ませて、瑞希から離脱する。



「あ!兄さん!待ってよ!私も一緒にいく!」



瑞希も後を追うように雅人についていく。



「じゃあいってくるわ!」



「いってきます!お母さん!」



「二人共気をつけてね!」



母さんが後ろで手を振りながらそう言う。



数分歩いた時に瑞希があることを話始めた。



「ねえ!兄さん!知ってる!?新型のReが開発された話!」



「新型のRe?なんだそれ」



「もう!兄さんテレビ見てないの?」



瑞希は顔を膨らませて俺にそう言ってくる。確かに俺はあまりテレビを見ない。それにReとかには微塵も興味がなかったからな。仮に見ていたとしても多分覚えていないだろう。



「なんかねReって待機状態は指輪とか腕輪とかペンダントとか、今までアクセサリーみたいだったでしょ!?」



「確かにな。それで?それがどうかしたのか?」



「うん!その新型のReは人型なんだって!しかも綺麗な美少女なんだって!!」



「へえ~。それは凄いな・・・・」



「兄さん!なんですか!その反応は!?」



「それは興味がないからな」



「ムキーーー!!兄さん!!のバカ!」



そんなこんなでいつもと同じように俺と瑞希は日常を過ごしていた。


「じゃあ兄さん!私あっちだから!バイバ~イ!」



「ああ。気をつけろよ」



手を振りながら瑞希は曲がり角を走っていった。



「さてと・・・。俺も学校にいくかな」



トコトコと再び歩き出す。すると後ろから肩を叩かれた。



「おはよう!雅人君!」



「ん?ああ・・・。刹那か。おはよう」



「今日から高校生だね。何だか最近時の流れが早いよ」



こいつは西条刹那。



小学の時から一緒で最早腐れ縁だ。西条財閥の跡取り息子でこの世界で4人の金持ちのうちの一人であり、学業優秀、スポーツも天才クラス。女子からもモテモテと言う何とも羨ましい存在だ。



「それで・・・結局雅人君はまだ部活に入るか決めてないんだ?」



「ああ。部活入ってもいいんだがバイトもしてみたいしな。何よりお金が稼げるのが利点だ」



部活と言ってもやりたいのは特にないんだけどね・・・。



「そういうお前はどうなんだよ?生徒会にまた入るのか?」



「うん。やはり中学に引き継ぎ生徒会に入ってくれって事前に電話があってね」



やはり刹那は俺とは比較できないほど凄い人材だ。まあ、凄い存在になりたいわけではないけどな。

そもそも俺は平和に過ごせればそれで満足してるしな。



それから間もなくして螺旋学園の正門に到着した。



広い敷地に、警備員まで立ってるし・・・。お嬢様学園か。ここか・・・・。



「雅人君。あそこにクラス発表の掲示板があるよ!」



刹那が示した先にはクラス発表掲示板が5つ並んでいた。どうやら5クラスらしい。



「えーっと・・・・神無月・・・神無月・・・・あった」



「僕の名前は・・・・ああここだ!」



同時に指差すと同じクラスだった。



「また一緒だね。雅人君!これからよろしくね」


「ああ。よろしく。なぜだろうな・・・・。お前とはずっと一緒な気がするぜ」



「多分気のせいだと思うよ」



まあ、同じならしょうがないか。ん?この名前は・・・・。

俺の一つ下に見知った名前が刻まれていた。

その少女の名前は・・・・。



「またあんたたちと一緒なの!?」


不意に後ろから聞こえてくる声。そう振り向くとそこには綺麗なショートカットの女の子が立っていた。

茶髪にブルーの瞳。誰がどう見ても美少女だ。周りを見ていると男子は見惚れていた。



「どうやらそうらしいな」



「よろしく。春野さん」



彼女の名前は春野ゆう。コイツも同じく小学からの付き合いであり、俺たちはいつも3人で1人みたいな感じだった。



「冗談じゃないわ!またあんたたちと一緒だなんて」



「今更何いってんだよ・・・。最早呪いみたいなもんだろ?」



「そうだよ!幼馴染同士これからも仲良くしよう」



そう言うとゆうは頭を抱えてその場に崩れ落ちる。



「いい!?勉強の邪魔だけはしないでね!?」



「わーってるよ。でも遊びに行く時は?」



「それは許す!」



「いや、なんでだよ!?」



思わずツッコミを入れてしまう。


「遊びは遊び。勉強は勉強よ!」



「開き直るなよ!?」



そんなトークをしていると、先生らしき人がこちらへ声をかけてきた。



「そこの生徒!何をしている。昇降口を閉めるぞ!」



「あ・・・・」



気づいたらもう周りには誰も生徒がいなかった。



ーーーーーーーーーーーー教室




「皆さん入学おめでとう。私は副担任の姫神です。以後お見知りおきを」



そこで一人の女子生徒が手をあげた。



「先生」



「何ですか?」



「名字は分かりましたけど名前は?」



「それは企業秘密ですよ」



なんだ?この奇妙な副担任は・・・。するとモニターに更なる映像が映し出される。



「今日は入学式です!あと5分程で体育館に移動し、式を行う予定です」


キーンコーンカーンコーン。


鳴り響くチャイムと同時に放送が入る。



「入学生の皆様は速やかに体育館へと移動し、入場してください」



「移動だね・・・。ん?どうしたの雅人君。そんなにそわそわして」



雅人の異変に気づく刹那。



「悪いちょっとトイレ・・・先に行っててくれ」



その瞬間雅人は猛ダッシュで廊下を駆け抜けていく。



「ああ!雅人君!そっちは・・・って行っちゃった・・・・」



「刹那~おまたせ~ってどうしたの?それとあのバカは?」



用意ができたゆうが教室から出てきて、刹那のことを伺う。



「トイレだって。でもあっちに走っていったけど遠回りだと思うんだけど・・・」



「あのバカは放っておけばいいのよ!さっいきましょ!」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「ああ~・・・。スッキリした・・・」



何故だか知らないがトイレにたどり着くのに10分も掛かってしまった。つかこの学校どんだけ広いんだよ!走っても10分って中々長距離じゃないか?

そしてここは一体・・・・。



「どこなんだーーーーーーーーーーー!!!」



完璧に迷子じゃないか・・・・。どうする神無月雅人!このままじゃ入学式に遅刻し、あまつさえ教師から目をつけられて厄介者扱いになるのは間違いない!



とりあえず今は何とか体育館に向かう方法を考えなければ・・・・。




一先ず動き出す雅人。すると地図らしきものが目に入る。




「なんだ・・・地図あるじゃん・・・。えーっとなになに?体育館は真逆の2キロ先にあります?・・・・って2キロ!?いやいや遠すぎでしょ!?」



現在地と記された真逆に体育館があることがわかった。



「どこかに近道はないのか・・・・。ん?中庭を抜ければ体育館に一直線だ!よし。中庭ルートでいくか」



雅人は地図を見て場所を再確認して、急いで中庭入口に向かう。しばらく進むと中庭へつながる入口を発見する。どうやらこの扉から中庭へいけるようだ。


この時、もしこの中庭を通らなければ出会わなかったのだろう。


運命の人に・・・・。



ガチャン!


扉を勢いよく開けて綺麗な花がたくさん咲いている道を駆け抜けていく。


「それにしても凄い広い中庭だなあ~。おっといけない!急がなきゃな!」


だが雅人の足は途中で止まった。それは目の前に今花に水をやっている女の子がいるからだ。


完全に見惚れていた。


綺麗な銀白髪に、綺麗な深海色の青に、セミロングの女の子だ。背は小さく150Cmほどだろうか・・・。



「あれ?もしかして新入生?」



「ええ・・・。そうですけど・・・あなたは?」



「私は美紅。綺麗条美紅。よろしくね・・・。あなたは・・・?」



「えーっと俺は神無月雅人です・・・。えっともしかして同じ新入生ですか?」



美紅は一瞬ポカンとしたが突然微笑みだす。



「うふふ。私は2年生だよ。一つ上の先輩なんだよ?」



「・・・え?あ!すいません。先輩なのに・・・」



「ううん。気にしないで。それより貴方の父親って・・・・」



そこまで美紅が言ったその時だった。



「新入生入場します。大きな拍手で迎えましょう」




という放送が入る。まずい・・・。入場が始まったのか!




「先輩!俺急ぐんで!!またどこかで!」



雅人は猛ダッシュでまた中庭を駆け抜けていく。



その後ろ姿を見つめる美紅。



「彼が・・・神無月・・・・雅人・・・・」



美紅は微笑み続ける・・・。ただずっと彼の後ろ姿を見て・・・。


「すいません!遅れました!」


俺は何とか列の中に紛れ込むことに成功した。隙間から刹那とゆうが出てくる。



「雅人君!随分時間が掛かったね」



「遅いわよ!」



「悪い」



その瞬間!頭に雷の一撃が落ちた。それはものすごく痛く、走馬灯が見える勢いだった。



「遅いぞ、神無月。私のクラスで遅刻は許さないぞ」



「いってええええええ!!誰だよ!?」



振り向いた瞬間、俺は恐怖で身を震わせた。



なぜならそこにいるのは、



「千草さん!?何故ここにいってえええええ!!!」



セリフを言い終える前にねじ伏せられる雅人。その光景を見てクラスの連中も笑っている。



「ここでは春野先生だ。ゆう。神無月には私が担任だということは言っていなかったのか?」



「ええ。たまたま忘れてしまって・・・」



ゆうは上の空だった。



「お前、あえて俺に言わなかっただけだろ!?」



「さあ、どうかしらね」



こいつ・・・。いつか絶対殺してやる!!



「神無月。そろそろ入場だ。準備しておけ!」



千草さんはそれだけ言い残して体育館の中へと入っていった。



「千草さんが俺の担任!?それ本気で言ってんの?」



俺は耳を疑った。それはそうだろう。春野ゆうの実の母親である春野千草さんが俺の担任になるのだ。千草さんは優しいが時に厳しく俺を叱ってきた時もあった。怒りの制裁をまた喰らうハメになるとは・・・。



「本気も超本気。お母さんも今朝言ってたよ。ようやく雅人の息の根を止められるって」



「あの人俺のことをどうするつもりなんだよ!」



「大丈夫だよ雅人君。きっと千草さんも雅人君を思って言ってくれてるんだよ」



「刹那。それはつまり俺に遠まわしで死んでくれと言っているようなもんだよ?」



そんな話をしていると前の列が動き始めたので俺たちもその列についていった。



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