自分に合った結婚
独身女性にとって、気になるのは「結婚」。
結婚相手もいないのに、結婚がゴールに思えて、周りが結婚し出すと焦る。
私は私、と思っても、このなんとも言えない気持ちは、拭い去れない。
体力的に衰えてきた気がして、病気になったら、と不安になる。
貴子は、現在36歳。
彼女もまたその一人だった。
彼女の周りに独身女性は、独りしかいなかった。
その人も彼氏はいる。そのうち結婚するのだろう。
貴子には結婚相手はいない。
直人は貴子と結婚する気は全くないのだ。
世の中、少子化で、子供万歳の記事、番組が多い。
震災以降、家族の絆等、家族万歳。
未婚女性が婚活をする記事、番組も多い。
子供万歳、家族万歳、結婚万歳。
CMでも、「子供を産んだお腹です」「ママの…」。
貴子にとっては、毎日が拷問だ。
そういう毎日を過ごし、精神科を受診しようかと迷っていたとき、図書館に行った。
独身女性について書いている本は多い。
拷問に耐えているのは、私だけじゃないのね。
この先、結婚するかもしれない、しないかもしれない。
それは誰にもわからない。
でも。
私は私。
その決断の代償を払うのも私。
無理はしまい。
もうどうでもいい。
結婚してようがしていまいが、私は紺野貴子、それに変わりはない。
今は、結婚したいのかしたくないのかもわからない。
それが私だ。
それでいい。
ウジウジしていても、変わらない。
悩みたいときは悩めばいい。
きっと、この苦しみは、無駄にはならない。
空を見た。
きっと同じことを悩んでいる人がいる。
頑張ろうね。
あったこともない同士に、語りかけた。