発言の代償
証明書の提出をするために役所へと来た俺はため息を吐いた。
いつものことだがひどく混雑している。
俺は混雑の中、比較的人が少ないように見える列に並んだ。
こんなことの証明書を提出しなければならなくなったというのに役所の窓口は一向に増設されない。この混雑も当然の話である。
人の熱気に辟易しながら、少しでも楽になろうと持っていた証明書で顔を扇ぐ。面倒なことになると分かっていたというのに、なぜあんな発言をしてしまったのか。いまさら後悔しても遅い話ではあるが、俺は思わず天を仰いでいた。
そうしてしばらく並んでいるとようやく俺の順番が回ってきた。
職員は俺が手にしている証明書をチラリと見ると、もう今日だけで何回も口にしているであろう言葉を口にした。
「無責任発言証明書の提出ですね」