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『ヘブンスガール・コレクション』~悪役第二皇子に転生したが、気付けば主人公格に?!~  作者: 月詠 昼光


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第48話:卒業、そして……

 その年は、あっという間に過ぎ去った。


 学園祭での模擬剣闘大会、魔法大会は自重をほんの少し辞めたデッドリッグの圧勝。


 アニメ映画上映会も、上手く事が運び、大好評。たこ焼き屋は行列が出来る始末。


 学園祭が終わった後も、デッドリッグは講義そっちのけで寒冷地に於ける領地開発のノウハウを調べていた。


 デッドリッグも、バルテマーの居ない学園は、こんなにも素っ気ないのかと驚く。


 そして、遂にカーリンへの鉄槌が下る。


 問題になったのは、学園に於ける成績であった。


 皇帝陛下自らの手で、鉄拳制裁を頭上に下すと云う有様であったとされるが、何せ、情報が流れる余地が無かった。


 皇帝陛下も、人払いをしてからと云う話だし、漏れる元が、皇帝陛下、皇后陛下、そしてカーリン本人となるが、カーリンが自らの恥を吹聴して回る筈も無い。


 唯一、皇帝陛下からバルテマーに直で伝えたらしいと言われるが、バルテマーもソレを話す事はしなかった。


 ただ、ゲームの方の展開から、イデリーナとダグナには予想が付いたと云う事情だ。


 そう、イデリーナとダグナは、『デッドリッグモード』に於ける知識を、時間の経過と共に取り戻していると云うのが、二人の実情らしかった。


 一方でデッドリッグは、成績優秀であれど、頂点を目指す程では無かった。


 仮にも、模擬剣闘大会と魔法大会に於ける優勝者だが、双方共に2位の学生の方が、成績は優秀であった。


 その為、卒業式に於ける首席による答辞は、デッドリッグには回って来なかった。


 本人の弁を述べれば、「それどこどじゃない」と云う事なのだが、未だ確定で無いにしろ、寒冷地の開発・領地運営は、相応に難しそうだった。


 卒業と同時に、皇帝陛下からの呼び出しが掛かって、『エンピリアル』の姓を『ケン』に変更の上、公爵位を与えて、寒冷地の領地が与えられる事が決定した。


 直後に、皇国高等学園を中退してまで、6人のヒロインが揃ったが、以前から領土ではあった筈のケン公爵領は、未だ開拓初期であり、まず、邸宅を用意する必要があった。


 7人がそれぞれで努力して貯めたお金を使って、まずは公爵領内に建築業者を探し、依頼しようとした。


 だが、探し出した業者は小規模で、立派な邸宅は建てられないと、断られた。


 そこで、皇都の業者に見積もりをお願いしたのだが、予算オーバー。


 その為、7人は相談の結果、最初は立派な邸宅で無くても良いからと、公爵領内の業者に依頼した。


 建つ迄の期間は、領内の民宿に泊まった。


 これは前途多難だなと思ったデッドリッグだったが、邸宅は半年で建てられた。


 なので、中身に関しては期待出来ないなと思ったが、コレが中々、質実剛健とした十分に立派な邸宅が仕上がった。


 実は、『ヘブンスガール・コレクション』では、この辺りの話は、アフターストーリーとして軽く語られる程度で、詳しい描写が無かったので、手探りで進めるしかなかった。


 だが、コレは幸先が良いと、早速、食の事情を整えようと、農業指導に乗り出した。


 メインとなる穀物は、ジャガイモ。こればかりは、我慢するしか無かった。


 だが、ヒロイン達はジャガイモを美味しく食べられるメニューを幾つか知っており、然程心配する事項では無かった。


 他には、ネギ、玉ねぎ、法蓮草、高菜、菜花、キャベツ、ブロッコリー、人参、大根、エンドウ豆、苺、ソラマメ、ラッキョウ、ニンニク、甜菜等があるが、その全ての種や苗は手に入らなかった。


 それでも、八割方手に入ったので、早速植えてみる。


 後は、肉の確保の為に猟を、魚の確保の為に漁を、それぞれの業者に頼んだ。


 そして、魔物対策も必要だ。


 弱い個体は、猟の際についでに行ってくれればと懸賞金を掛け、強い個体が現れたとの情報があれば、デッドリッグ自らが狩りに出掛けた。


 他にも、納税をさせる事も、領主として大事な仕事だった。


 納税の基本方針は、『3公7民』。つまり、収入の3割相当の金品を税として納める事を義務付けた。


 コレを周知するのも、領主としての務めだ。


 だが、その前に、周知する役目を果たさせる部下が必要だった。


 その筆頭が、町長だ。


 元々、トップに立っていた町長が、その上に立つ領主が出るのは面白くないだろうと、デッドリッグが自ら出向き、将来の展望とそのメリット・デメリットの説明を行った。


 最終的に、町長を納得させた情報が、『グルメの聖地』と云う方針だった。


 その典型的な例として、「ちょっと焼いてみましょうか」と云ってローズが作ったお好み焼きだった。


 残念ながら、町長の邸宅にはたこ焼き用の鉄板等と云うものが無かったので、似たような材料で出来るお好み焼きを焼いたのだ。


 町長は、一発で胃を掴まれた。


 実際には、余剰作物等で輸出をし、代わりに小麦を輸入しなければお好み焼きと云えど普及させるのは難しい。


 だが、確実に言える事として、甜菜の栽培により砂糖を輸出出来るようになる事は明らかなので、説得は難しくなかった。


 デッドリッグ達も、甜菜は主要作物として、砂糖への加工を前提とする方針で、なるべく多くの種や苗を入手していた。


 だが、収穫の時期を迎える迄は、貯金を切り崩して生活する他、無かったのだった。

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