表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『ヘブンスガール・コレクション』~悪役第二皇子に転生したが、気付けば主人公格に?!~  作者: 月詠 昼光


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/64

第28話:シルエットの女性

 ローズの卒業が迫る。


 それと同時に、来年度の入学者が決まりつつある。


 デッドリッグは、バルテマーにもお願いして、『皇子二人』と云う権限を使って、来年度の入学者の写真を眺めた。


 そう、動画の撮影は出来ないが、ローズ達の尽力(じんりょく)のお陰で、静止画は撮影出来るようになったのだ。


 一人、ダグラ・バロネット=シュルツは入園が確定である事は間違いない事を、まず確認。


 そして、手分けをして探す内、デッドリッグが一人の女子学園生候補生を目に止めた人物が居た。


「兄上、この女性、怪しくないですか?」


「──ん?


 ……ああ。確かに、コレをシルエットにしたら、あの()になるな」


 名前を、イデリーナ=ホフマン。──『聖女』候補生として、入園を許された平民だった。


「悪いが、彼女はお前にも渡せないぞ?」


「いえいえ、出来ればダグラも一緒に(めと)って頂きたいものです」


「……俺の美談を壊してまで、か?」


 バルテマーは、独特のオーラを発していた。王者のオーラとでも言うべきだろうか?


 帝王教育を施されたら、ココまで違うかよと、デッドリッグは少し(うらや)んだ。


「本人の意思を確認してからになりますが、では、ダグラは俺が引き受ける、と云う予定に基づいて動いて宜しいですか?」


「ああ。本人の意思に反してでも、ダグラはお前が救え。


 確か、優先的に、サディストに惨殺(ざんさつ)される最期を迎える筈のキャラクターだ。流石に放置は頂けない」


 デッドリッグは、『良し、言質は取ったぞ』と思いながら、こんな事を言う。


「もしも、俺が強く拒絶され、兄上が強く求められたら、側室も()む無しと思って頂けると云う認識でよろしいでしょうか?」


「ああ、構わん。


 人気No.1のお前が拒まれる可能性など、無かろう」


「言質を頂いたと思って、よろしいですか?」


(くど)い。


 そう易々と約定(やくじょう)(たが)える事など、わざわざせんわ。


 お前の方こそ、救い損ねるなんて事態は決して起こすなよ?


 全員を救うのならば、公開処刑もあの半可臭い方法で出来るよう、父皇帝(ふこうてい)にも進言してやるわ!」


「別に俺は、ソレを求めていないのですけどねぇ……」


「フンッ!欲望丸出しでローズを求めた時に、強烈に拒まれたから、ローズへの仕返しとしても相応しいわ!」


 ココで、ようやく矛盾の切っ掛けが(あらわ)になった。


「えっ?!ローズが兄上を求めるのを待てば勝手に餌食(えじき)になってくれるのに、兄上から、それも欲望丸出しで求めたのですか?」


「……ああ。恥ずかしながら、その一点の失敗を以て、ヒロイン候補達全員に情報が行き渡り、誰も相手になぞしてくれんのだったわ!」


 人間、誰でも失敗はある。焦りは禁物。辛抱(しんぼう)する樹に花は咲く。


「……もし。もしもですよ、兄上。イデリーナが兄上を(こば)んだら、どう致しますか?」


「権力を行使する。──(もっと)も、攻略できずに卒業を迎えた場合は、だな。


 問題は、『聖女』候補生か……。権力に屈しないとなると、マズい事になるな……」


 バルテマーも、下手は打てなかった。一度、失敗しているが故に。


「前世の記憶持ちであった場合……俺は、一旦、イデリーナを拒んでよろしいのですね?」


「そうして貰えると助かる」


 だが。だがである。根本的な問題の解決には、その手法ではいけないのだ。


「──兄上。美談を残したいのは判りますが、イデリーナを壊してしまわないよう、ダグラは兄上がお引き取りになって頂けませんでしょうか?」


「……そうか。そんな問題もあったか。


 良し、余裕があったら、ダグラも俺が引き受けてやろう。


 美談を残す為に、惨殺死者が出るのでは、それは最早、美談では無い。


 次期皇帝の筆頭候補として、側室を迎えるのは、最早義務と思おう。


 だからと云って、死ぬなよ、デッドリッグ。


 お膳立(ぜんだ)ては用意してやる。後は、覚悟を決めておけ。


 ──そう云えば、覚悟を決めるゲームやらと云う噂は聴くが、現物は俺も見たことが無かったな。


 とは言え、ローズに頼んでも手配はしてくれないであろうし。


 ──折角、『ギネス世界記録』の『最大の実数』と云うのを知っているのになぁ……。


 仕方があるまい。ローズが、俺達兄弟に競わせたくないゲームなのだろう。


 残念なことだ……」


「ああ、あの数ですか!」


 奇遇にも、兄弟共に、その『ギネス世界記録』の『最大の実数』を知っているのであった。


「道理で、『色に狂う』訳だ。


 あんな数、知らなければ良かった。


 『7』で同じ理屈で構成した数の方が大きい筈なのに、まるで、『何もかもを狂わせる』為にあるような数字だと言わざるを得ない!」


「デッドリッグ。俺は本来、毎日取っ代え引っ代え、ヒロイン達を(もてあそ)んでいたが故に、『色狂い』と蔑称(べっしょう)を与えられた。


 ソレに対し、お前は『6日に1回』だったか、しかも、一人ずつ順番に。


 お前は、悪役ながら、十分に立場を(わきま)えている。


 お前が『色狂い』とされた理由は、『悪役』であるが故だ。


 俺は、お前の方が主人公らしいなと思っているのだぞ?」


「だからと云って、主人公の座を譲り渡す訳もありませんでしょう?


 ハハハ……と、バルテマーは(なげ)きにも似た笑みを浮かべた。


「真実と云うのは、中々に残酷なのだぞ?」


 笑みの後に、バルテマーはそう言って、書類の類を片付け、学園の執務室(しつむしつ)を去るのだった。


 最後に残した言葉が、妙に気になったデッドリッグであった。

 またブックマーク1件増えている!

 スミマセン、次からはイチイチ反応しないようにしますね。

 でも、感謝!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ