拗らせ男子と勉強会
好きとか嫌いとか良く分からなかった、
分かろうとしてなかったのかも知れないけど、
俺はいま、恋をしている
お相手は、隣の席のクラスメイト
本野さん
恋に落ちた瞬間はいまでも覚えている
放課後の教室で一人本を読む彼女の笑顔にやられた、ロボットのように固まった彼女の表情が
あんなにも変わるなんて、そしてあんなにも可愛いだなんて思いもよらなかった。
彼女を目で追うようになって気がついた
彼女もまた恋をしている相手は同じクラスの神田、イケメンだし人当たり良くカッコいい勉強もでき二枚目でお金持ちそしてイケメンだ、驚くことじゃない、最初から分かっていたことじゃないか、俺は好かれるような人物じゃないし、神田と比べることさえもおこがしい叶わない恋ならせめて、精一杯彼女の恋を応援してやろうじゃないか、
「本野、俺に勉強教えてくれないか?」
好きとか嫌いとか良く分からなかった
知ろうともしてないからかもしれないけど、
それでになにも困らなかったのだからこれからも別に構わないそう思ってた。
私は困惑している。なぜか突然私に勉強を習いに来た深谷君、何と言ったら良いんだろう、不良というよりツッパリ系?の彼が何故か勉強に目覚め、私に教えてくれと頼まれた。
その場で土下座することも厭わないような彼に私は折れて幾つかの条件を出しと彼からは報酬?を提示してきた。内容は私の言うことを1つだけ何でも聞くということ、他人に迷惑のかかることは駄目、出来ればお金関係もやめてほしいとのこと
彼にどうして勉強に目覚めたのか聞いてみたけど、ありきたりな答えが返って本当だとは思えなかった。 残る理由は私が好きだから近づいた位だけど、それはないよね?
「それじゃあ、一年生の範囲から復習を始めましょう」
本野と俺の勉強会が始まった。
これだけなら本野の恋の邪魔でしかないがしかし、クラスには俺が成績不良のため先生が本野に命じて無理やり勉強会をさせていると噂を流した。これで本野が可哀想+優しい子、責任感のある奴だと思われるだろう、これだけでは神田が本野に好かれる理由にならん、なので姉ちゃんに相談して女の見せ方やら磨き方やらを本野に叩き込んだ、仕草、声色、話し方、化粧等々全部、最初は嫌がっていたが、最近では満更でもないようで、どんどん綺麗なっていった。
あの鉄仮面の少女はいまやミステリアスな令嬢に変わっていた。
ま、あの笑顔に比べたらほんの魅力的な一部でしかないけど、
「やっぱ、本野は笑った方が可愛いと思うぞ」
深谷君との勉強会が始まった。
最初は本当に何も分からない人で、教えることすら分からない中、手探りで何度も教えて、時には私が挫折しそうになりながらも、毎日諦めず彼は諦めず一生懸命に私の授業を聞いてくれた。そんな彼はある日を境に、私のことをやたら誉め始めて、どこから仕入れたか分からない美容やらモテ仕草やらを私に教え始めた。最初は嫌だったしなんでこんなこと教えるのかも分からなかったけど、深谷君は真剣に教えるから私も邪険にすることもできず、言われるがまましている。
最近では肌の質が見るまにかわり、少しだけコンプレックスだった肌荒れもみえなくなった。この時から感づき始めた、深谷君ってもしかして私が好き? いやいや、だとしても、勉強会が始まる前は話したこともない人だし
「うるさい、それよりこの問の答え間違ってるからやり直し」
本野との勉強会のお陰でみるまに成績が上がってきた、毎日やってるからなのか、本野の教えがいいからなのか、はたまた恋の力のお陰かはさておき問題は本野の恋だ、本野の魅力が回りが理解したのかずいぶんと色んな奴に声をかけられるを見るようになった、その分勉強会の時間も減ったけど、
それでも本野が楽しげにしてるのをみると嬉しい気持ちになるがしかし、どうしようかと思ってたらその神田から声をかけられた。
これは絶好のチャンスだ
「なんだよ優等生、俺になんかようか?」
気がつけばもう彼に勉強を教えて3ヶ月が経っていた。最初の頃と比べて彼の成績も良くなっていき深谷君と勉強会をしていたおかげが私も成績が上がってしまった。彼と勉強をしてわかったのは、彼は
言葉遣いはたしかに悪いけど、真面目で優しくてお節介で早とちりだけどそこが面白い人だってこと、同時になんで誰も彼と関わりを持とうとしないのでだろうって思っていたら、最近話すようになったクラスメイトに言われた言葉
「深谷君に脅されて勉強教えているんでしょ?」
私は
神田からはこれ以上彼女に迷惑をかけるのはやめろだそうだ。流した噂は神田はしっかりと信じてくれたみたいだ。
あとは俺はこいつに本野に悪いことをすると吹き込んでやれば持ち前の正義感で神田は本野のことを守るようになるだろ、俺とあいつの勉強会ももう終わりだな。
俺は神田に言った
「俺は、本野に「私はそんなこと頼んでない!」
本野がクラス中に響くように叫んだ
それは一方的だった。
彼は悪者で、神田君はヒーローで、
彼はそれを受け入れていた。
違う、違う、違う!
最初はそうだったかもしれないでも、今は違う。
彼の真面目で一生懸命なところが、
彼の不器用だけど優しくしてくれるところが、
彼の早とちりでお節介で遠慮がないところが
「私は深谷くんがす、好きだからしているの!」
クラスの本野の告白から騒然となり、逃げるように俺は本野の掴んで教室から出ていった。
何がなんだか分からない自分で自分の考えがまとまらないなんて初めてだ。
お互い気まずい沈黙のなか俺は、彼女に向かって
「私は、あなたが好き。」
「俺も」
なんて彼女の赤いはにかむ顔を見てしまったらそんな些細なことは吹っ飛んでしまった。
ありがとうございました