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1. 虹の蕾の持ち主、ザマァル・モーオソー

新連載開始しました!

今日中にあと四話アップします! 

  

 女神様から頂いたスキルを開花させるには善行を積む必要があるが、善行を積んだ人間が善人だとは限らないことに、女神様はお気づきなのだろうか?


『好感度ナンバーワン! 愛妻家系冒険者イースト、妻がまさかのサキュバスだった!! 十年間共同生活をしていたのに気づかず!!』


「……ク、ククク、クククク」


 状況が状況なので、なんとか堪えようとしたのだが、ああ、やっぱり無理だ。


「クハッ、ナハハハハハ、ハハフフ、フヒーーーーー!!!」


 俺が腹を抱えて笑うと、ガタガタの地面の上で、一人がけ用のソファがグラグラ揺れた。


「何何、そんな面白い記事載ってた?」


 すると、俺の肩を揉んでいたメアリーヌが、俺に抱きつく形で週刊誌を覗き込んでくる。ほのかな汗の匂いと背中の柔らかい感触も、この記事を超えるほどじゃない。


「イーストっていただろ、あのクソ偽善者野郎! あいつの嫁、キュバスだったんだってよ(笑)」


「えぇ? あの美人の奥さん? サキュバスって魔物だよね?」


「ああ、そうだよそう!! ガワは変えてたんだろうが、中身は完全化物!! あいつ、十年間も化物抱いてやがったんだよ!!!」


 他人の不幸は蜜の味、なんていうが、ムカつく他人の不幸は蜜に溺れているかのような多幸感を覚える。こりゃ、ここに車で読むのを我慢してた甲斐があったもんだ。


 久々に期待できそうな記事に、前のめりで続きを読む。

 一番最初に嫁の正体に気づいたのはイーストらしく、自ら自分の嫁を鎖で縛りつけ、そのまま衛兵のもとへと突き出したらしい。

 サキュバスは、国が指定するA級害魔物。冒険者には討伐義務があり、家で飼えば重犯罪なので、自分は騙された側ではなかったと証明したかったのだろう。


 しかし、おもろいのはこっからだ。

 囚われのサキュバスは、十年も連れ添った自分を見捨てたイーストに随分ご立腹らしく、取材に来た記者に、イーストの性癖を全て暴露し始めたのだ。


 どうやらイーストは、とんでもないドMらしかった。サキュバスが語ったプレイ内容の一例がこれだ。


 まず、嫁に悪徳商人のコスプレをさせる。対してイーストというと、戦争の末破れ、奴隷に身を落とした女騎士という設定。鎖でがんじがらめに縛られ、「くっ……殺せ!」と、嫁を睨みつけるらしい。


 嫁扮する悪徳奴隷商人は、そんなイーストを舐めるような目つきで見たあと、自分のいきり勃った逸物をイーストの頬にペチペチと……え、おい待て、生えてんのか? サキュバスは相手方の理想の姿にガワを変えるから……ククク、イーストの野郎、やってんなぁ(笑)。


 それからイーストは、奴隷商人に身も心も犯され続ける。一日とかそういうレベルじゃない。一ヶ月間、毎日のように犯されるそうで、ちょっとでも嫁がサボったら、烈火の如く怒るらしい(笑)。


 常人だったらおかしくなるような一ヶ月間、それでも、イーストは女騎士として耐えに耐え続け……自分の仕えた国が滅んだことを悪徳商人から聞いて、ついに騎士であることを辞め、一人の雌として、その恥辱を快楽として受け入れていく、らしい……。


「性癖やばすぎるて(笑)。ていうか高々セ◯クスにコストかけすぎだろ(笑)。腹痛い(笑)」


 思わず涙を流していると、俺の足のマッサージをしていたアシュリーヌまで「え、なになに、そんなに面白いの?」と、週刊誌を覗き込んでくる。

 案の定、メアリーヌとアシュレーヌの琴線に触れたようで、三人して大爆笑。


「はーっ、おっかし……さてさて、次はと」


 一頻り笑ったあと、俺は高級干し肉をつまみに酒を飲み、再びページを捲った。

 イーストの記事以外は、いつも通り、関係者談が末尾につくどうしようもない記事ばかり。


 俺は軽くそれらを読み飛ばして、メインディッシュに取り掛かることにした。


 表紙に戻る。こういう週刊誌の表紙は大抵、男にシコられるくらいしか能のない女の下着姿の写真が載っているもんだ。


 今回の表紙グラビアは、有名冒険者(タレント)のマイン。


「いやしかし、この身体で冒険者は無理だろ……」


 有名と言っても、愛妻家冒険者イーストと同じく、冒険者として実績で有名になったわけではない。


 その猫耳は艶々と輝き、同じ色の黒髪は真っ白なベッドのシーツを彩っている。エメラルドの瞳は艶かしくこちらを見ており、男なら誰でも惑わされることだろう。


 そしてなにより特徴的なのが、ベッドに横たわってなお、存在感を全く失わないその胸だ。


 これほど巨大な胸なら、ゴブリンやスライムといった小さい魔物の下からの攻撃を捉えられないだろう。冒険者としては致命的ってわけだ。


 それでも冒険者と名乗るのは、こんなエロい身体の女が冒険者やってるってだけで、エロ同人屋の筆がノリに乗るからだろう。竿役はゴブリンかオークってとこか……。


「なぁ、ベラ。なんとかこいつと俺を繋げてくれよ」


 俺は、俺たちから少し離れた位置で棒のように突っ立っているベラに話しかけた。ベラは、サファイヤの目をまんまるにして驚く。


「え、え? ごめん、私、この娘と知り合いじゃなくって……」


「これから知り合えばいいだろ? ベラもよくメディア出てんだから、知り合う機会はいくらだってあるだろうが」


 俺と同時期に名門冒険者パーティ【マイヤー・ユナイッド】に入団し、今や【マイヤー・ユナイテッド】一の結界魔法使いになったベラ・スタン。

 元庶民でありながら、貴族が経営するパーティにふさわしい素行の良さなので、メディアの前によく立たされている。


 ちなみに俺はメディアに出ることを禁止されているので、全くコネがない。もちろん他にも【マイヤー・ユナイテッド】の人気メンバーはいるが、そいつらは別件でこの場にいない。

 というか、引っ張りだこの【マイヤー・ユナイテッド】の面々が一堂に返すことなどほとんどない。一人一人が竜とタイマンできるくらいの実力者だから、群れるのは非効率というわけだ。


「……それは、そうかも、だけど」


「ちょっとー、あたし達というものが有りながら浮気ですかー? それも猫女なんてー」


「ひどーいっ。だったらぁ、そんな気なくさせちゃいますっ」


 すると、メアリーヌとアシュレールが、狼の尻尾をふりふり振りながら俺に擦り寄り、艶かしい手つきで俺の太ももを撫で始める。狼系の獣人なので、猫人にはライバル意識があるのかもしれない。


 その手を払うと、二人は不満げに口を尖らせた。

 悪いが、今はカレーの口みたいに、完全にマインのち○こになってしまっている。マインのち○こって何だよ。マインがふたなりみたいになっちまったじゃねぇか。俺はイーストとは違ぇぞ。


「さてさて……」


 それでは、最初で最後の大仕事に取り掛かりますかね……。


 俺は表紙を捲り、週刊誌を太ももの上に載せた。

 袋綴じ。聖剣エクスカリバーに次ぐ、男心をくすぐるアイテムだ。自慢ではないが、袋綴じの開封ではウルマ王国随一と自負している。


 俺は深呼吸をして、袋綴じを破り始めた、その時。


「うるぎゃああああああああああ!!!」


 一際大きな咆哮に手が滑り、袋綴じは切り取り線と直角をなすくらいに大胆に破れてしまう。

 俺はおっかなびっくり顔を上げて、結界が血まみれで真っ赤に染まっていることに気がつく。


「おいおい、苦戦か? お前ら、行った方がいいんじゃね?」


 マッサージを続ける双子の狼に問いかけるが、二人は愛想の良い笑みを崩さない。


「いえいえ、アルフォード様からは、何があってもザマァル様のお側にいろって言われてるんで!」


「そーそー! それに、この咆哮って追い詰められてる時のやつですから!」


「……あっそ」


 俺は、少し浮いてしまった腰を、気づかれないようゆっくりと降ろした。結界外から聞こえる戦闘音は激しさを増していく。確かに佳境のようだ。


 やがて、水を打ったような静寂ののち、ソファに座っている俺でもバランスを崩しかねないほど、地面が大きく揺れた。


 ……終わった?


 コンコン。


 そして、再び訪れた静寂は、今度は、俺たちを囲う結界をノックする音で破られた。

 ノックした手が、結界についた血を拭う。血の赤から本来の透明に戻った結界の先に現れたのは、血まみれの美青年だった。


「ベラ、終わったから、結界を解いてくれ」


「あ、はいっ」


「あ、おい、待て!!」


 俺の静止も虚しく、ベラは結界を解く。

 多量の血は、結界の天井にまで達していた。結界が消えたことにより、その血は雨になって俺たちに降り注ぎ、姉妹が悲鳴をあげた。当然、マインのグラビアも血に染められ、使えそうもない。


「ちょっとベラ、この装備買ったばっかのお気に入りなんですけど!?」


「ほんっとあり得ない!!」


「ああっ、ごめんなさいっ、ごめんなさいっ」


「おい、ちょい待て。ベラはアルフォードの命令を聞いただけだろうが!」


 俺は狼姉妹とベラの間に割って入る。狼姉妹が不満げな顔で何か言い返そうとしたその時、アルフォードが二人の首根っこを掴み、無理やり頭を下げた。


「申し訳ありません、ザマァル様。私のミスです」


 そして、遅れて自分も頭を下げる。


 内容とは裏腹に、アルフォードの言葉には一切の感情がない。身体がかすかに震えているのは、疲労から、というわけではないだろう。


 元農民でありながら、マイヤー家の養子になり、貴族としての地位に加え、本来こいつが座るべきマイヤー家次期当主の座につく俺に頭を下げるなんて行為、こいつからしたら耐えがたいに決まっている。


 俺が決めたことじゃない……と言ったところで、無駄だろうな。


「謝れって言ったわけじゃねぇよ。どうせ魔物と戦ってりゃ汚れるんだし、どうでもいいだろって話だ……ま、俺は魔物と戦うなんて庶民の仕事、やるつもりはねぇけどな! ギャハハ!」


 せめて冗談で笑わせてやろう、アルフォードには通じなかったみたいだ。


 手の甲にぶっとい血管が浮きはじめたので、俺は慌てて、ソファに立てかけてあった《聖剣エクスカリバー》を手に取る。


 ずしりと重いそれをやっとこさ肩に担ぎ、そして、血溜まりをじゃぶじゃぶ歩きながら、此度の敗者の元へとたどり着いた。


「しかし、デケェな……」


 ミノタウロス。

 牛の頭に人の身体を持つ魔物だ。隊長は平均で三メートルなのだが、こいつはうつ伏せに倒れても、一般的な十五歳人族の俺が見上げないといけない。


 巨大地下迷宮の主だけあって、今まで見たミノタウロスとは全くの別物。学者連中が見たら、新たな学名をつけたがるだろう。


 しかし、そんな迷宮の主も、人族最強の騎士、アルフォード・マイヤーにかかれば、このザマというわけだ。


「……ぐぅ」


 ミノタウロスが、力のない瞳だけ俺に向けて、必死に俺を威嚇しようとするが、巨躯に似合わぬか細い声だ。


 ……昔は、見てらんねぇもんだったんだがな。


 殺生という行為は善行とは真逆に見えるが、女神様と人類様の敵である魔物相手となれば、話は変わってくる。

 魔物を狩れば、善行が稼げるのは周知の事実。それも、このレベルの大物となると、とどめを指すだけでも、かなりの善行になるらしい。


 そう、俺は今から、この《聖剣エクスカリバー》で、ほっといても死ぬこいつの首を刎ねる。


 いわゆる介錯人というやつで、冒険者としての俺のファンがこんなところを見たら、一気に失望するくらいには残忍な行為だろう。

 ……そりゃ俺だってハナから戦闘に参加したい、しかし、マイヤー家の現当主、アルフォードの父親はそれを許さない。


 なぜなら俺のステータスは、一般的な人族男十五歳のものであり、ミノタウロスどころかゴブリン一匹殺すのにも、俺の巨根を受け入れた女のようにヒィヒィいわされちまうんだ。


 そんな凡人の俺が、なぜこんな馬鹿げた待遇を受けているのか。

 矛盾するようだが、俺は凡人じゃないからだ。


 俺は、ウルマ王国にたったの七人しかいない、虹色のスキルの蕾を女神様から与えられた人間。


 蕾の色は、蕾が開花した際に会得する特殊能力“スキル”のレア度と、蕾が開花するために積むべき善行の量を示している。

 虹色は最上級の色で、今のところ虹色の蕾を開花させたものは、その瞬間から一流冒険者百人分を軽く超えるほどの戦闘力を得る。


 つまり俺は、今は凡人でも、近い将来、最強の男になるのだ。


 《ステータス・オープン》ができるようになり、俺が虹色の蕾の所有者であることが分かった時。

 【マイヤー・ユナイテッド】の所有家であり、超名門貴族のマイヤー家が、農民の俺をマイヤー家の養子にしたのも、虹色の蕾の所有者にマイヤーを冠させることにより、マイヤー家の権力を確固たるものにするため。


 そんな奴がスキルの開花前に死なれようもんなら損失がデカすぎるから、戦闘が終わるまで結界で守っておいて、最後の介錯人だけやらせるってのは正常な判断だ。


 しかし、今まで魔物どころか家畜の屠殺すらやったことないガキが、いきなり介錯人になるのはキツすぎる。

 正々堂々戦った結果ならともかく、他人が弱らせに弱らせ死にかけてる魔物を殺すなんて、俺の村のいじめっ子だってやりたがらねぇだろう。

 しかし、俺を買ったマイヤー家の命令は絶対。やるしかない。一年もすれば吐くこともなくなり、二年もすれば虹色の蕾の持ち主として当然のことと思うようになった。


 そして、三年経ち、俺は晴れて、この行為にふさわしい本物のクズになった。

 だから、大切な仲間が目の前で戦っていようが、マッサージを受けながら酒のつまみにゲスな週刊誌を見て他人の不幸を楽しめるし、貴族の権力を使って女も抱けるし、今からお前の首を刎ねるのだって、なんら罪悪感も抵抗もない。


 ……だから、そうやって俺を責めたところで、どうにもなんねぇぞ。


「……ぐぅぅ」


 しかし、ミノタウロスは、今にも飛びかかってきそうな殺気を俺に放ち続ける。


 俺はため息をついて、エクスカリバーを振り上げる。あとはエクスカリバーが勝手にやってくれる。


 ざしゅっ、という呆気ない音。


 ミノタウロスの頭がゴロリと転がり、光を失った目と目が合った。

 目を逸らす気にはなれずそのまま見つめ合っていると、突如、世界が虹色に染まった。

 眩しすぎて定かではないが、どうやら光源は俺の胸らしい。


 ……開花の時だ。


「キタ、キタキタキタ! うぉぉぉぉぉんッッ!!!」


「やったねお姉ちゃん! うぉぉぉぉぉんッッ!!!」


 狼姉妹が、遠吠えしあって喜ぶ。当然俺も嬉しいが、喜びよりも先に安堵の感情がやってきた。


 三年……なんだかんだ長かったな。

 やっと、この後味の悪いルーティンから抜け出して、自らの手で戦うことができるってわけだ。そうすりゃこの荒んだ心も、ちょっとはマシになるだろう。


「ステータス・オープン」


 ずるり、と、俺の胸の中から這い出てきたのは、虹色に輝く石盤だ。この石盤には自分のステータスを記されていて、十二歳の時にこのステータスで自分の将来を決めるのだ。


 石盤が抜けた胸が、加速度的に早鐘を打つ。

 そして、虹色の光が消えた。


ザマァル・モーオソー 人族


ステータス 


      現在地   未来値

 力    5     6

 体力   12    15

 敏捷   10  12

 魔力   3     3

 才能   1     1


魔法

 『    』


スキル 

 『    』


 スキルの空白の部分に、じわりと黒のインクが滲み出てくる。


 一体全体、どんなスキルだろうか。扱う道具を全て魔道具に変えられるスキルだろうか。どんな魔物でも触れたら使役できるようになるスキルでもいいし、ベタにステータスアップ系のスキルもいいな。

 



スキル

『ざまぁ(笑)』




「……ん?」


 俺は見間違いかと思い目を擦ったが、ざまぁ(笑)はざまぁ(笑)のままだ。


 ……なんだ、これは?


 少なくとも、教育係に叩き込まれたスキル一覧に、こんなものはなかった。


 ……まぁ、いい。これから女神様がスキルの使い方を説明してくださる。虹色なんだから、当たりスキルには違いないんだ。


『あーえー、ごほんごほん、テステス……隣の客はよく柿食うきゃこっ……隣の客はかきっ…よくかきゃ…隣のかきゃ……チッ。もぉいいや……それでは、スキルの解説を始めます』


 女神様の幼い少女のような声が、ダンジョンに響き渡る。俺と狼姉妹は顔を見合わせ、笑い合った。


『……ふふっ、ふふふっ、あはっ、あはははははっ』


「……っ、なん、だ?」


 しかし、その笑顔はすぐに凍りついた。女神様の笑い方が、あまりに狂気的だったからだ。

 俺はアルフォードに説明を求めるが、どうやら難しそうんだ。いつもの鉄仮面が、驚きに歪んでいた。


 やがて、高笑いが収まると、女神様は高らかにこう叫んだ。


『ざまぁみろ、ザマァル・モーオソー!!!』


「……は?」


 混乱する頭を、特大級の衝撃がぶん殴る。少し時間をおいて状況を整理したかったが、女神様は待ってくれない。矢継ぎ早にこう言った。


『虹色の蕾が与えられたからって、調子に乗って成金クソ野郎になったザマァル・モーオソー! スキルが開花して一気に最強になれると思ってたみたいだけど、残念でしたぁ! そんな都合のいい話ありましぇぇぇぇん!!』


「…………」


 これは現実か? いや、きっと夢に違いない。

 問題は、女神様は夢の中にだって現れるということだ。


『仲間が弱らせた魔物を殺すののどこが善行なわけぇ!? しかも、仲間が戦ってる間に俗な週刊誌を読んで他人の不幸喜んでるようなクズ男に、他の虹色の蕾の保養者と同レベルのスキル与えるわけないじゃぁぁん!! ぬか喜び乙!!!!!』


「……は、なんだ、なんだ、これ」 


『ああ、ざまぁするのきもっちえええええ!!! 気分良すぎて生まれ変わった気分!!! 何回でもイケる、ザマァル、ざまぁみやがれ!!!』


「おい、なんだ、なんだよこれ!?」


 誰も、俺の問いかけに答えようとしない。女神様の『ザマァル、ざまぁ!!!』の連呼だけが、ダンジョンに響き渡る。


『ザマァル、ざまぁ!!!……ふぅ』


 女神様は、まるでイキ終わりのもようなため息をつく。そして、静まり返るダンジョン。

 女神様の言葉の続きを待ったが、いつまで経っても女神様は何も言ってくれない。あれほどテストをしたのだから、音声不良が起こったってわけじゃあないだろう。


 ……え? これで終わり? それじゃあ、まるで……女神様が、俺を騙して弄び、それでざまぁ(笑)してるみたいじゃないか。


 恐る恐る、パーティの面々を伺う。人の感情とはここまで移ろうものなのかと、変な笑いが出た。




ここまで読んでいただき誠にありがとうございます!

 

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