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6回目 敵国内における勢力拡大と、その影響力

 大国内における宝来王国出身者。

 それらは下層労働者として大国内に広く浸透していった。

 大半が日雇い労働や単純労働である。

 地位は決して高くはない。

 だが、様々な所に入り込んでいる。



 そうして入り込んだ者が結婚して子供が生まれて。

 そうした子供達が更に様々な所に入り込む。

 これを繰り返して、大国内の一部地域にしっかりと根付いていった。



 場所によっては、宝来王国民だけが住む地域すらある。

 事実上、大国内に支配地を作ってるようなものだ。



 もちろん、政治権力などを奪えたわけではない。

 あくまで底辺の労働力として居場所を確保してるだけだ。

 主要な部分はまだ大国の者が握っている。



 それでもだ。

 各地の労働力で最も多いのは宝来王国出身者である。

 それらが消えれば、一部地域限定えはあるが、労働力に問題を起こすことになる。

 例え、指揮・監督の立場の者が何人いようともだ。

 実際に働く者がいなければどうにもならない。



 それに、商品を買う消費者としても、大きな力を持っている。

 もし、一斉に宝来王国出身者が消えたら、その地域における商売が壊滅する。

 売り物がどれだけあっても、買う者がいなければ意味が無い。

 在庫を抱えるだけだ。



 それに、産業にもわずかながら食い込んでいっている。

 後継者のいない職人や商人なども多い。

 そういった所で働いてた者が、技や知識、店などを継いでいく。

 そうして大国内で確固たる地位を得ていく。



 こうなれば相手も無理して追い出す事は難しくなる。

 下手に追放したら、地域の経済に影響を及ぼす。

 生活と言っても良い。

 職人が必要なものを作り、商人がそれを広く分散させる。

 これらが消えたら、人の営みに大きな問題を起こす。



 経済とは、とどのつまり、人の営みだ。

 金はその間を動いてるだけに過ぎない。

 人がいなくなれば、経済も消滅する。



 それに、職人や商人に雇われてる者もいる。

 もし、職人や商人を追放したら、職を失う者も出て来る。

 それでも強引に事を進める者もいるかもしれない。

 宝来王国出身者の影響力を排除するために、ある程度の犠牲を覚悟するかもしれない。

 そうなったら全てが終わりだ。

 時間をかけて作り上げた、大国内の勢力は一網打尽になるだろう。



 だが、そうならなかったら、大国の一部地域を占領した事になる。

 その利益は計り知れない。

 言ってみれば、敵の金で飯を食い続ける事が出来るのだ。

 数多くの国民を養う事が出来る。

 大国の中で。



 なるべくそれが続くように願う。

 大国の中で宝来王国が勢力を拡げるためにも。

 国力差がそうして埋まるよう願いながら。

 大国に翻弄される小国としては、力量差が縮まる事は悲願である。



 その願いが通じたわけではないだろうが。

 大国に入り込む宝来王国民は更に増えていき。

 影響力もそれに応じて増大していった。



 当然ながら、それを快く思わない者達も出て来る。

 大国内で現地人と宝来王国民の衝突も発生してきていた。

 避けようがない事だろう。

 だが、対応はしていかねばならない。



「問題が起こってる地域での生産や商売を閉めていってくれ。

 出来るなら、現場から別の地域に引っ越しを。

 他の住人も含めて」

 そうした指示をヒロサキは出した。

 応じて、大国内での避難が始まる。



 そうして一部地域から宝来王国出身者が姿を消した。

 後には、住民の大半が消えたゴーストタウンが残った。



 当然ながら経済活動などまともに行えるわけもない。

 宝来王国出身者を排除した地域は、そのまま衰退していった。


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