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1回目 異世界転生、王族、チート持ちではあるけども

「さて、どうしたもんか」

 宝来ヒロサキは悩んでいた。

 今後の人生について。

 とはいえ、身の振り方は決まっている。

 末端とはいえ王族。

 統治者として生きていくしかない。

 それ以外の選択肢は無い。



 ある意味迷わなくて良い。

 だが、それでも考える事はある。

 一つは、自分の立場。

 王族の末端なので、手にしてる権限など高が知れている。

 その中で、色々とやりくりせねばならない。



 もう一つは、自分が手にした能力。

 日本という異世界からの転生者で。

 そして、普通の人間が持ち得ない能力を持っていた。

 それが悩みの種にもなっていた。



 チート能力、というのだろう。

 他を隔絶する圧倒的な力。

 そう言えるものをヒロサキは確かに持っている。

 だが、それによる恩恵は、果たして役に立つのかどうか。

「不老ってねえ……」

 自分の能力を口にして悩む。



 不老。

 ある一定の年齢になると、それ以上老いる事がない。

 傷病などがなければ、そのまま永遠に生きる事が出来る。

 そんな能力を持って生まれた。

 これは、魔術とかが存在するこの世界でも珍しいものだった。



 だが、だからといって大きな利点があるわけでもない。

 確かに長生き出来る。

 だが、それだけだ。

 栄耀栄華をほしいままに出来るならば、それも良いだろう。

 しかし、そんな暢気な事を言ってられる状況でもない。



 小さな国である。

 大陸の北に位置しており、夏は短く、冬は長い。

 そんな生きるには過酷な環境に存在する国だ。

 当然ながら、豊かではない。



 おまけに、巨大な国が近くに存在している。

 隣接してないのがせめてもの救いだが。

 その影響を免れる事は出来ない。

 それがヒロサキが王族をつとめる国。

『宝来』という国名を名乗っている。



 そんな宝来王国の王族というのは、決して恵まれたものではない。

 一般の国民よりは安定した生活を送ってはいるが。

 しかし、時に国民の怒りや文句のはけ口にもされる。

 恵まれてるとは言い難い状況だ。



 そんな国の王族と言っても、さして喜ばしい事はない。

 もちろん、より辛い生活を送ってる国民よりはマシだろうが。

 だが、ヒロサキは自分の立場が安泰だとはこれっぽっちも思っていなかった。



「どうにかしないと」

 なんとか国を安定させたい。

 大国の脅威からも逃れたい。

 しかし、それを実現するだけの力がない。



 確かに不老である。

 長い時間を生きられる。

 だが、それだけだ。

 智慧や武力に優れてるわけではない。

 魔術や超能力のような事が出来るわけではない。

 ただ長く生きるだけ。

 それだけなのだ。



 それでも。

「どうにかならねえかな」

 考えてしまう。

 少しでも安定した生活を送るために。

 この先長く続く人生を、少しでもよいものにするために。

 その為に出来る事を考えていく。


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