悪魔
俺は、つい最近妻と子供を失った。
残業があり、へとへとになりながらも家に帰ると、そこには血溜まりがあった。
その真ん中に妻と、6歳の息子が仰向けになって倒れていた。
その後、犯人はあっさりと捕まった。
だけど、その犯人は死刑ではなく懲役30年と軽い罪となった。
「くそ!」
俺は朝一のニュースを見て椅子を蹴り倒した。
「俺の、俺の大事な家族を殺しておいてなんで死刑じゃないんだよ!」
その日は、家にずっと引きこもっていた。
次の日、俺は流石に腹が減り、外に出た。
「図書館?」
外を歩いていると家の近くに図書館があることに気がついた。
「たまには、本とか読んでみようかな」
俺はそう思い、その図書館に足を運んだ。
そして入って右にあったオカルト本の棚を見た。
「へえ、いっぱい置いてあるんだなあ」
色々な興味の湧くようなオカルト本が置いてあった。
その中でもとくに気になったのは、
「悪魔の降臨術?」
その本は『悪魔降臨術』と言う名前の本だった。
それは、読んで字のごとく“悪魔”を召喚するというものだった。
そして、その悪魔は何でも一つ願いを叶えてくれるそうだ。
「こんな召喚術なんてあるわけない、よね?」
俺はページをペラペラとめくる。
内容が内容なだけにとても信じられない話のはずなのに、なぜか読み進めて行く内に本当だと思ってしまう。
なので、今日俺はこの召喚術を試してみようと思う。
AM3:00、家に帰り本を読み直し、準備を揃えた。
どうやら召喚は朝の3時やらないといけないらしいので3時まで準備をして過ごした。
「あとは、唱えるだけ」
そう言い、悪魔降臨術を唱える。
「|Έλα, διάβολε《いでよ悪魔》!」
そう唱えた瞬間、書いておいた魔方陣が光り出す。
真ん丸とした赤い魔方陣は中に浮き、天井へと消えていく。
俺は、光がおさまったかと思うと目を開ける。
そこには全身真っ黒な存在が浮いていた。
背中から赤い羽を生やし、赤い槍らしき物を手に持ち、そいつは浮いていたのだ。
「貴様か、我を呼び出したのは。さあ、用件を言うがいい」
「実は──ということなんです。なのでその犯人を殺してください!」
俺は丁寧にお願いをする。
すると
「いいだろう。その願い叶えてやる。
そのかわり、お前の死をいただいていくぞ」
この際、俺の命なんかどうでもいい。
あの男にさえ復讐できれば、ただそれだけでいい。
「はい、お願いします」
俺がそういうとまたも赤い光が俺を包み込む。
そして俺は、いつのまにかに意識を失っていた。
目を開けると、そこは俺の家だった。
「うっ、なんだ?俺、死んでない?やはりあれは、夢?」
そう思いつつ重たい体を持ち上げ、テレビをつけた。するとちょうどニュースやっていた。
どうやら、あの男、俺の家族を殺した犯人が刑務所内で謎の死を遂げたそうだ。
(やっぱりあれは、夢じゃなかったのか?)
俺は、よくわからなくなり、とりあえずお風呂に入った。
そのあとも普通にいつも道理一日を過ごした。
そして夜の1:00、家でぐったりしているとあの赤い光が表れた。
光がおさまり、やがて目を開けられるようになると、その目の先にはあの夢で見た悪魔が浮いていた。
「あの男は殺した。これで契約も終了だ。我は帰らせてもらう」
その悪魔はどこかに行こうとしたので俺は呼び止めた。
「まってください!」
「なんだ?」
「あの、どうして俺は死んでないんですか?あなたは僕の死を取るんですよね?」
ずっと気になっていたことを聞いた。
すると
「ハハ、安心しろ、報酬ならもういただいたぞ。それじゃあな」
悪魔はそれ以上はなにもいわず、帰って行った。
俺はそのあとも普通に生きていた。
Thank you for reading!
はい、今回のは最初は僕もわからなかったですねえ。
まあ勘のいい人ならすぐわかりますね。
解説
てことで解説します。
まず、今回の意味怖では主人公が家族を殺され、それを復讐するといったものです。
では、悪魔の提示した報酬を見ましょう。
「そのかわりに、お前死をいただいていく」
これに少し違和感を覚えませんでしたか?
普通、悪魔が命を取るときって
「そのかわりに、お前の命をいただいていく」
とかではないですか?
はい、そうです。
もう気づいている方もいるかもしれませんね。
実はこれ、主人公の命を取るんじゃなくて『主人公の寿命、つまり、主人公の死ぬ瞬間』を取ったということです。
なので、主人公はこのあと一生死ぬことができません。
いやーこれ考えた人本当にすごいですねえ。(誰かわかんないけど)
僕もいつかこういう意味怖がかけるようになるのだろうかね……。
また沢山の意味怖を投稿していくのでブックマークや評価をしていってね。




