67話:猫人アイドルグループが衝撃デビュー!
※冒頭の「色々と話した」の部分はつまらなかったので全カットにゅ……!
そしてロアーネと色々と話したのだが、私はリルフィを送り出す決意をした。
リルフィは「ぼくが姉さまの側にいないと……」と渋っていたが、両親と幸せに暮らすことが私の願いと伝え、説得した。
ちょっと心揺らいだが永遠の別れというわけではない。別れを惜しみながらさよならを告げた……。
まだ一週間ほど滞在するようだ。はずかち! そう言えば、先に別れの挨拶を済ませておく文化だったっけか。出発までの間、リルフィは私の側にべったりだった。これはこれで……。
リルフィに魔法結晶精霊カードをあげた。伯父さんに献上するために持ってきたものだ。そういえばこれを渡すために来たんだったなあと思い出す。チョコケーキのための旅行ではなかった。リアにはすでに渡しているし、伯父さんにも会ったので、この旅行の目的はコンプリートだ。
もう一枚あるけど……これは皇女様に渡せばいいや。クインプリル家に渡したのだから問題ないだろう。うん。
「これは一体どのように……」
製造工程は秘密です。工員のお昼時間にお洩らしレバー引くとか説明できないのじゃ。なので秘密である。すんっとした顔で澄ませておけば大体なんとかなる。
モデルの仕事も終わり、キンボ公との追加カードのアイデア出しも済ませた。
そこで私は気づいた。リルフィと一緒に帰ればいいんじゃねと。
するとリルフィに首を横に振られた。
「エッヂの街の猫人の三人はどうするのです?」
忘れてた!
謎のネコラル機関による蒸気機関車がぷおおと青い蒸気を吹き出す。私たちは途中下車して、リルフィたちはそのまま国境沿いの町へ向かい別れを告げた。すぐにまた会えるから軽い別れだ。
伯父さんたちはしばらくヴァイギナル王国の都ロンナルクに滞在するという。帰りにまた逢えるね!
何だか別れを惜しむ必要がなかった気がするぞ?
そして久しぶりにヘンシリアン家に戻ってきた。ただいま!
「お前の家じゃねーだろばーか」
お。さっそくルー坊の口汚いお出迎えだぜ。
猫人三人娘も並び立った。すっかり肉付きが良くなり髪もさらさらになっている!
「猫耳もふもふー!」
念願の猫耳娘の猫耳をめっちゃくにゅくにゅして堪能した。ぐへへへ。するとにゃんこが私の脚にすり寄ってきた。お前もか。よーしよしよし。もふふふふ。
「おい。機関車を爆発させたとか噂を聞いたぞ。何してんだ」
爆発はさせてないもん。爆発を防いだんだもん。にゅにゅ姫の噂はこっちにも広がっているようだ。「ドルゴンを従えてる」で簡単に特定されてしまった。へへ。人気者は辛いぜ。
「それで、この猫人どもはどうするんだよ」
そうそう。踊りと歌を練習させていたんだっけ?
一ヶ月間みっちりとレッスンをした結果、なかなかの仕上がりになっていた。彼女らの民族舞踊であったが。まあこれはこれで。
「ふむ。あとはフォーメーションを覚えたら、小さめな箱でデビューさせてみようか」
「何言ってるんだお前? クリトリ語で喋れよ」
世界初!? 猫人アイドルグループが衝撃デビュー! NLP三人娘▲! 近日公演!
またにゅにゅ姫が変なこと始めたぞと噂が広まりチケットは完売した。酒場の小劇場だからそもそも箱が小さいんだけどね。まずは小さいところで慣れさせる。
それからでかい箱でライヴだ。
「シロマルにゃん」
「アオタレにゅ」
「オウヒョウだにょ」
白青黄の謎の光る棒をファン達が振って彼女たちをステージに迎える。まだまだ動きは固いが、数をこなせばこなれてくるだろう。
観客たちの多くは猫人だが、ちらほらオーギュルト人も見られる。その中で一人、光る棒も持たずにぼへーっと立ち見する金髪碧眼の少年が気になった。一応ここは酒場なのであるが。
そう注意すると、「君も子どもだろう」と言われてしまった。確かにそうだ。
「その髪色。もしかして君が噂のにゅにゅ姫なのか?」
こっちの街でもあだ名がにゅにゅ姫になってしまったにゅ! 語尾にゅだとアオタレちゃんとキャラ被りしてしまうにゅ!
しかしこの少年はなぜNLPのライヴを観に来ているのだろう。仕事のサボり?
「僕は学生だが」
じゃあ学校のサボりか。
「君だって小学生だろ?」
私は答えに窮する。私は学校には行っていない。今更ながら良いのか? 教師が宮殿に来てるけど、小学生と行っていいのだろうか。学校に来られない事情を持つ子も小学生だし、きっと私も小学生なのだろう。うん。実は私は小学生だった!
「噂通り変な子どもだな」
むっ。変と言えば学校をサボって酒場を覗いてる少年も変だ。身なりは良いから貧民層ではなさそうだが。
NLP三人娘がくるりとターンしスカートをひらりと翻した。そこから尻尾がチラリズムする。観客たちから歓声が湧く。このように大人向けなえちちな要素があるから子どもには早いのだ。ほら、この少年も顔を紅くしている。
いやだが、この頃の少年がえちちなモノに興味を持つのは非常によくわかるので、追い返しにくくなってしまった。ふふふしょうがねえな。見逃してやるよ。
脱ぎだしたりはしないから、ガチエロではないのだし問題はなかろう。
さて、私は学校に興味を持った。貧民街では猫人の子どもも働いていた。小学校は義務教育ではないのかなと思ったが、義務教育ではあるらしい。ただ通えるかどうかは別の話であった。
私がうむうむ悩んでいると、ロアーネがいつものようにぽぽたろうで頭をぽむぽむしてきた。
「小学校に行きたいのですか?」
「私が行きたいわけではないけど……」
私は気づいてしまった。NLP三人娘▲は美少女アイドルユニットだが、少女に過ぎると。シロマルとアオタレは十一歳で、オウヒョウは十三歳。ロリコン向け過ぎた。
「あの子達も学校に行かせたほうがいいのかなって」
「……また汚れますよ?」
しまった! またもふもふできなくなるのかそれは困る!
「基礎教育ならアイドル? 活動と一緒に屋敷でできるでしょう。それよりも彼女たちには大事な役目があるではないですか」
え? なにそれ。
よくわからないけど頷いておく。
「今、何も考えてないけどごまかしてる顔をしましたね?」
「してないにゅ」
しらないにゅ。
「まあ、このまま続けていけば大丈夫ですよ。多分」
「多分って」
「だってティアラ様は次に何やらかすかわからないですし」
え? 猫耳ゴスロリアイドルもありかなと思ってたけどだめ?
「ところで彼女たちのグループ名はフォーティーなんとかではありませんでした?」
四十人はちょっと盛りすぎたかなと思って……。




