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4話 椎名梨花は考える。

少し短いです。

梨花が自分の部屋で色々と考えます。

―梨花の部屋―




どうしよう。


ゲンドウポーズで考える。



このままだと、監禁ヤンデレフラグまっしぐら。

私はどこを間違えたのでしょうか(遠い目)

女性ホイホイの義兄を過保護と言わんばかりに守りまくったら、おとぎ話のお姫様みたいな、守られる優しいお兄ちゃんになるはずだったのに。


――――あーそういえば、昔読んだ少女漫画だと、普段は敬語口調で大人しい男子が、彼女のことになるとドSに変化する王道ものがあった。

まさかその展開に!?


……そーーーーだよなーーーーー。

そもそも わたしは なんで そうおもったんだ(白目)


家族愛で優しい義兄になれば、監 禁 ル ー ト 回 避 だ な ん て






……あの時、義兄は。


『なーんて。冗談だよ、梨花。驚いた?』

『(ぽかーん)』

『もう、危ないこと、しちゃだめだよ?(頭なでなで)』


って、ニコリと笑ってくれたけど。


あの目は本気だった、本気と書いてマジと読む!!!


いや、別に、私だって、悪くないと思うんですよ正直。

だけど!!!


「ヤンデレ監禁18禁ルートだけは、いーーーーやーーーー!!!(血涙)」


普通に考えてそれだけは嫌!!!そんなことになったら私の平凡な人生は詰む!!!


あれが椎名響だからこそ、この世界が『たった1つの愛を君に』略して、ひと君だからこそ分かる。

椎名響という人は、最愛の人のためなら犯罪ギリギリな手段も厭わないのだ。

…実際、漫画の中の響は、梨花をあれやらこれやらとしたり、犯罪一歩手前のようなことまでしでかすのだ。

無駄に顔のいい男で普段は優等生でいつの間にかいろんなコネを持ちやがった義兄は、周りにバレることもなく、監禁状態の最愛な人(梨花)を甲斐甲斐しく世話を焼くのである。

それが狂気な目で世話をするものだから当然漫画の中の梨花も怯えまくり、愛する処じゃなかったが、次の話には、愛のパワーで解放されて、ラブラブな日常に戻っていくのだけども…。

私も読んでてぜんっぜん理解はできなかったが、いつまでも監禁ルート行きだと、なんか色々と引っかかるのだろうね(一応全年齢向けの少女漫画だしね)


とにかく、このままいくと、私の人生は別の意味で破滅を迎える。

椎名響という人物を別の意味で隅から隅まで知ってしまった私は、この男との恋愛ルートは回避したい。

かといって、少女漫画よろしく展開で「高校生になって彼氏を作ろう作戦☆」は絶対にやめた方がいい。


椎名響は 恋愛感情抜きにすると シスコン しか残らないからだ。

現に、漫画の中の梨花は、義兄とくっつく前に彼氏がいた。しかし、あっという間に義兄が引き裂き、次の回には登場しなかったのだ。

恐ろしいシスコンパワー……。

響の嫉妬がどちゃくそ面倒くさいと、ある意味読者から評判になっているからな。

けど、嫌われるよりかはマシかもしれん。

折角生まれ変わったのだし、転生先でも人生をエンジョイしたいしね!家族と仲良しでありたいからね!!


前世でも一人暮らしはしていたけれど、家族とは円満だったし、連休には実家に帰ってたし、妹と愛犬をもっふもふした懐かしい記憶。

実家に帰るとお母さんが作ってくれる私の大好きな肉じゃがを、お父さんとビールを飲んで食べるのが幸せで――……。


――――――ごめんね、突然、しんじゃって。

全ては勘違いで突然刺したあの女ですからね。私はまだまだ生きたかった。


……だからこそ!!私は!!この世界で平穏な人生を歩むのよ!!!




現に私がお義兄ちゃんを守る!ということに徹底しているおかげで、義兄は私をこれでもかと言うほど慕って大事にして――……。



――――――え、まさか。


もしかして自ら破滅に導いちゃった…?



あああああああああああ!

そりゃあそうだ!!妹が幼いころから「お兄ちゃんを守ります!」と言ってればそうなるじゃん!!!

シスコンになる筈じゃん!!!


「いや、まじ、どうしよう」


シスコンにさせずに、なおかつ、家族愛で、そして兄妹として普通に――…

この世界線で難しくね???


かといって、今更無視とかできるわけないし~~~~!!!

考えろ、考えろ私、アラサーの私、佐倉陽菜!!

前世で読みまくったこの漫画の知識を活かして何か―――!!


…そういえば。


そういえば、漫画の世界での椎名響は常に女の子に囲まれていて。


同じ歳の友達が、いなかったように思える。


挨拶や連絡係のモブと話すシーンはあったけど………。


「―――それだああああ!!!」


友達!!そうだ!!友達だ!!

相談し合える、信頼のおける友達を!!作らせておけば―――!!


多分だけど、現時点で義兄にそういう友達はいない。

学校から帰ったらまっすぐにウチに帰る義兄だもの。

(もちろん、私には友達はいるよ!!アラサー時代に培ってきたコミュニケーション能力なめんな!)

というか何故友達を作らせなかった原作者よ…と私は少しだけ恨んだ。


でも、現在中学生の私と、高校1年の義兄では学校内でまず会うこともない。

いきなり「友達を作ったらどう?」なんて言えるわけもない。

なんとか自然に……義兄にフレンドが出来る方法が―――…。





ピンポーン

家のチャイムが鳴る。

ん?誰が来たのかな?両親の知り合いかな?


すると、バタバタと私の部屋へと向かってくる足音が。

あ、お母さんだ


「梨花ー、お客様よー」

「はーい」


…私に、お客様…?


自らの行動でシスコンへと導いてしまったことに気が付きました。

だって今更無視とか冷たくあしらうとかできるわけがない

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