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月夜譚 【No.1~No.100】

荒国(あらくに) 【月夜譚No.4】

作者: 夏月七葉

 かつての王は、獅子のように雄々しく、草花のように繊細な心の持ち主だった。彼が治める国はとても豊かで、人々の暮らしも華やかだった。

 しかし現在、この国は昔の面影もなく荒廃していた。植物は枯れ果て、動物達は姿を消し、人々は飢えに喘ぎ苦しんでいる。

 どうしてこんなことになってしまったのか、それは誰にも解らない。ただ一つ言えるとするならば、慈愛に満ちたあの王が変わってしまったということだ。声を荒げ臣下等に命令する様は、まるで別人のようであった。

 かつては笑い声の絶えなかった町を見下ろし、少年は目を細める。その灰の瞳に映るのは、瓦礫ばかりになってしまった無残な光景だ。

 荒れ果てた国を元に戻すことはできないだろう。しかし今より向上させることはできる。

 その為に少年は立ち上がったのだ。この国を統べる者の末裔として――。


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― 新着の感想 ―
[一言]  これは、いかにも続きそうですね。わくわくしました!  ……だというのに、これ以上手を加えても無粋じゃないかと、そう思える。不思議なものです。
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