寝る子は育つ
「ふんふん。」
もみもみ
「ほーほー。」
キョロキョロ
「っはぁぁぁぁあ。」
顔に触り、辺りを見回して大きな溜め息をつく。
真っ直ぐな黒髪に深紅の瞳、将来美人になることを約束された美少女がよくある中世ヨーロッパ的な内装の中にいることがわかった。
そしてこの容姿、『アイス』の魔王様のソフィアだ…。ロリだった頃の容姿と完全に一致している。
(…あ!よくある悪役転生物ってやつっすね!寝ます!)
頭がショートして思考を手放す。
(いやいやいやいや、ないっしょー、この年でこの妄想は無いわー。)
どうせこの後イケメンの幼なじみとかが出てきて、みんなで未来を変えるぞって展開なんでしょ?
私は詳しいんだ。
(うん、トラックに引かれた訳でもなし、いやーありえんわー。)
とことこと寝台に向かう。
歩幅も小さいなんて凝った夢だ。
腹位の高さがある寝台に潜り込む。
(あーー!超フカフカ!フッカフカ!現実だわこれ!)
現実には味わったことが無いレベルのフカフカの布団に沈む感覚に、逆にこれ現実だと再認識する。
いや、分かっていたんだよ?ただ理解出来なかっただけだよ。
しかしあまりの気持ち良さに起きることが出来ない。
次第にうとうとしてきた。
(もう、いい、疲れた。)
そのままことっと眠りに落ちてしまった。
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ーやぁ君、大丈夫かい?
ーん?私?私は通りすがりの旅人さ。道を歩いていたら死体を見つけて驚いたんだ、まぁその死体が生きててもっと驚いたんだけど。
ーははっ!そんな顔をしなさんなって!
ー私の名はソフィー、君は?
ソフィアちゃん今6才