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第十四話 魔装武器

 無理な体勢で投げ出した身体のバランスをとれず、そのまま地面に転がる。

 一瞬で現れ、一瞬で消えたジュリアーノの槍の追撃に備えて素早く立ち上がると同時に、頬に鋭い痛みを覚える。

 反射的に手を当てると、薄い赤色の血が付着した。

 おそらく完全に避け切れず、穂先が僅かにかすったのだろう。

 久々に感じる明確な痛み。

 あの槍は魔人となった今でも俺を殺せる凶器だということを再確認する。


「あまりにも隙が多い故に手っ取り早く殺そうと思ったが、存外反応が良い。やはり最初に強者を殺そう」


 ジュリアーノが初めて足を動かし、じりじりとアメリアとの間合いを詰める。

 対するアメリアも一歩一歩後ろに下がって距離を取りながら、目線と剣先は相手から離さない。

 お互いの距離は変わらないが、俺とアメリアの距離は着実に近づいている。

 アメリアの言う通り、自在に伸びる槍を操る十傑相手に俺が戦えるわけがない。

 戦闘の邪魔にならないように、トイトピー村あたりまで逃げることが最善手だと思う。

 

「どうした小娘、戦おうじゃないか! 貴様らも魔人なのだろう? 我と同じく、この村に溢れる膨大な魔力が目当てなら、勝者を決めなければならない。強者は全てを手に入れ、敗者は全てを失う。それがこの世界の掟だ!」


 前進するスピードを上げながらジュリアーノが発破をかけるが、アメリアはそれに応じずに同じく後ろ歩きを速めて距離を保つ。

 このままでは俺が二人の戦場に入ってしまう。

 三度アメリアに助けてもらって助かっているが、偶然はそう何度も続かない。

 次にジュリアーノに狙われたら、死ぬ可能性の方があまりにも高い。

 それに、俺を守って戦おうとするアメリアに迷惑をかけてしまうに違いない。

 やはり、早くこの場から離れた方がいいのか――


「はあああっ!」


 心の中でもやもやする気持ちを振り払い、背を向けて走り出そうとした時、アメリアが距離を保つために後ずさりする足を止め、突如雄たけびと共にジュリアーノに突っ込んでいった。

 三メートル程の距離が一瞬でゼロになり、首を狙った長刀が振り下ろされる。

 突然の突進に動じるどころかニヤリと不気味に笑うニジュリアーノが、右手で持った槍を軽い動作で身体の前に持っていき、アメリアの一撃を受け止めた。

ギイィィン! という耳障りな衝撃音に、悲鳴にも似た金属音が静寂な森全体に響き渡る。


「良い太刀筋だ! やっとやる気になったか小娘!」


 待ち侘びた戦闘を心から楽しんでいるのだろう。

 ジュリアーノは笑いながら大声で、アメリアの攻撃を喜び、難なく一振りで弾き返す。

 押し返された勢いを利用して、ふわり後方に飛んだアメリアが、着地するや否や、再びジュリアーノに突進する。

 普通の人間ではあり得ないスピードで瞬く間に長刀の間合いになり、先ほどと同じように鈍い音と共に両者の武器がぶつかる。

 今度も力負けしたアメリアが押し返され、更に遠くまで飛ばされる。

 かなりの高さから着地したが、外傷を負ったようには見えない。

  

 翼で飛んだり、十五の男子である俺を片手で投げ飛ばしたり、一瞬で数メートルを走ったり、どうやら魔人化による影響は身体能力の強化にもあり得そうだ。

 魔人化した後に、愛剣が軽く感じたのもその影響かもしれない。


 三回、四回とアメリアは着地して、距離を詰めて攻撃し、吹っ飛ばされる、といった流れを続けた。

 最初は戦いを楽しんでいたジュリアーノの顔が曇りはじめ、徐々にアメリアの素早い攻撃への反応が遅れてきた。

 ゆっくりと前進していた歩を止め、動きながら対応するようになったジュリアーノが、アメリアを吹っ飛ばした後、再び豪快に笑いながら叫ぶ。


「小娘……この短時間で我の槍に対応したか。素晴らしい。面白い、面白いぞ小娘!!!」


 同じ光景が八度続いた後、九回目の重苦しい金属音が鳴り響き、アメリアは大きく上空に吹っ飛ばされる。

 今までは弾き返されながらも、その勢いを上手く利用して、地面から近い距離で後方に飛ばされてきたが、今回はジュリアーノが槍を振り上げ、意図して吹っ飛ばされる。

 体勢を崩したアメリアが空中でふら付く。


「我の魔装武器グングニルの力を即座に理解し、常に距離を詰める戦略は褒めるに値する。しかし、その程度では我の相手にならん!」


 どうやら、どんなに遠くても一瞬で間合いとなってしまう伸びる性質を持つ真紅の槍はグングニルという名前があり、初めて聞く魔装武器なるものらしい。

 

 最高地点に達して落下し始め、バランスが取れないままのアメリアがジュリアーノの格好の的になる。

 

「弱者はさっさと死ね」


 穂先を上空のアメリアに向け、めいいっぱい引いたグングニルを何もない空間に勢いよく突き刺す。

 ジュリアーノの右腕が伸び切ったのと同時に、空を切ったはずのグングニルが一瞬でアメリアの心臓を捉えた。


第十四話を最後までお読みくださった皆様、ありがとうございます。


読者の皆様、読みやすいでしょ?読みやすいでしょ!

今まで地獄のように長くて複雑だったのに、なんと読みやすいことでしょう。

これがなろうの理想ですよね……。

序盤からこれだったらもっと人気出てたかな()


前話から始まった十傑ジュリアーノとの闘いはもう少し続きます。

今後はこのくらいの文字数で突き進んでいくのでよろしくお願いします。



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