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いつまでも
13.運命の人
「運命だと思ったんだよ」
クサい台詞を恥ずかしげもなく吐く彼。
「一目見たとき、ずっと一緒にいる人だって思ったんだよ」
「なにそれ」
照れて素っ気なくなりつつも、すごく嬉しかったのを覚えている。彼はその言葉通り、彼の命尽きるまで私と一緒に居てくれた。
ただし彼の命は、私よりも50年短かった。
14.密かなファン
仕事の帰り、某動画投稿サイトでラジオを検索した。
ふと、あるチャンネルのサムネに惹かれる。登録者数はそこまで多くないが、最新のものを再生。
聴こえてきた声は、馴染みある幼馴染の声だった。
——その日から、私の通勤時間のお供はそのラジオ。退屈だった時間は、今では1日の楽しみになっている。