50/51
待っていて。
99.私が彼の幼少期を知る前の話
「まるで家畜みたいだ」
子どもの虐待ニュースを見て、彼は冷たく言い捨てた。
「飼い慣らされた挙句に殺されるなんて」
言い方は悪いけど一理あると納得してしまった。
「家畜に自覚はあるのかな」
ふと感じた疑問を零す。
「……そんなのない方が幸せだろうな」
彼はテレビ越しにどこか遠くを見つめていた。
100.バスの中
雨でも降るのか。今日の空はどんよりと雲に覆われている。普段は自転車で通学するところを、バスで行くことにした。
バスの中は混んでいて、少し憂鬱な気持ちになった。
しかし
(……あ、)
彼の姿が目に入る。普段は一緒に通学することなんてない。ドキドキしながら髪を整えた。
どんより雲に、少し感謝。




