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宣言した
9.初恋は実らない
『初恋は実らない』
それは嘘っぱちであると私は人生をかけて証明する。
好きなものは好きなのだ。それに彼だって絶対的拒絶は見せない。この恋は実るに決まっている。
「好きです」
何度目の告白だろうか、彼は私の告白に対して初めて視線を合わせた。
「ごめん」
それは最初で最後の、彼からの拒絶だった。
10.譲れない恋心
双子の弟とは好きな物がよく被る。譲るのはいつも僕。
だって僕は兄ちゃんだから。
ある日お互い好きな人を言い合うと、同じ人に恋をしていた。
譲らなきゃ。僕は兄ちゃんだから。
「いいの？」
弟は悲しそうな顔を見せた。
「正直になりなよ」
僕が初めて譲らなかったのは、初恋の人。
弟は嬉しそうに笑った。
