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理想の
87.夢の中の彼と、現実の彼
元彼がテレビに出ている。どうやら自分の事業を成功させたらしい。テレビから目をそらすと、そこには元彼が笑っていた。
手を伸ばした次の瞬間——目が覚めた。
「懐かしいな……」
久々に会ってみたいなんて未練タラタラなことを考える。
——しかしその日、街中で彼が女の子と2人で歩いているのを見かけた。
88.離婚
「少しおばあちゃんちに遊びに行くよ」
夜。移動中の車の中で、寝ぼけながら父のその言葉を聞いた。母は留守番。祖母の家は居心地が良かったが、全く帰る気配がなく不思議だった。
「もう帰らないよ」
父は言った。車の中の記憶は夢だったのか、わからない。
ただ、母ともう二度と会えないのは現実だった。




