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未来の
83.夢の中に帰りたい
彼から連絡がきた。
「会いたい」
一言それだけの言葉。その後喫茶店で会って、いつものように他愛ない話をしながら一緒にコーヒーを飲んだ。
彼は別れ際、寂しそうに笑っていた。どうしたの、そう聞こうとして目が覚めた。
——そこには、彼氏と別れた翌日の、胸が張り裂けるような現実が広がっていた。
84.父の愛
「早く寝なさい」
「勉強しろ」
「22時までに帰って来い」
父はいつもうるさく私を縛り付ける。大学生にもなって口出しされたくないとも思う。正直言って鬱陶しい——そう思っていた。
「父さん、事故に遭ったの。それで……」
妹の声は震えていた。
その日、私は自由を手に入れた。しかし同時に、愛を失った。




