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真正面から
67.変わりたい、変われない
幼少期の頃に描いた、スーパーマンになりたいという夢はとうの昔になくなった。
特に焦ることもなく、その内見つかるだろうなんて思いながら、流されるままに時間を過ごした。やりたいことなんていづれ見つかる。
焦らず、焦らず。
そう思って――気づけば、大学4年生。
そこには、未だ変わらぬ自分がいた。
68.気づきと虚しさ
満員電車に乗った瞬間、懐かしい香りが鼻をかすめた。斜め前の彼からだと気づいた後、その後ろ姿を見てどきりと心臓が音を立てた。
まさか。
不自然にならない程度に顔を覗く——と、それは思い描いていた人物ではないと気がついた。
落胆する自分にも気がついた。
嗚呼、私はまだ、あの人を追っていたのか。




