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走り続ける覚悟を。
61.死者を送る
別れとは唐突だ。
「急に体調が悪化して」
反抗期に入って口を利かなくなったのが数年前。改め始めたのが数ヶ月前。
「さっき亡くなったよ」
最後に交わした言葉は何だったか。自然に話せるようになる前に、祖父は逝ってしまった。
「ごめん」
「ありがとう」
眠る祖父を前に、伝えたかった言葉が今更溢れた。
62.青春の終わりがけ
西の空に赤色が溶け込んでいく。その様を眺めながら、友との帰路を辿った。
「勝てるかな」
明日の試合を思って不安が溢れる。高校最後の試合になるかもしれない。そんな思いが頭を過っていた。
「勝つよ」
友の笑い飛ばす声に、勇気付けられる。空を見上げたら、これまでの練習の風景が浮かぶようだった。




