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決めろ。
57.繋ぐ人
自らが作った溝は深くなり、僕に近づく人はいなくなっていた。
「これ君が描いたの?」
そんな僕の描いた絵を見て彼女は笑顔を見せた。
「すごいね!」
その繰り返しで、彼女は溝を越えてきた。
こちら側へ来た彼女の絵を描く。するとその絵は僕にとって初めての賞に繋がり、他の人との縁も繋げてくれた。
58.挑戦し続けた先に見える景色は、
喉が渇いた。身体の節々が痛い。
水を口に含んで、再度足を前へ。
なんでこんな挑戦し始めちゃったんだろうとか、早く家へ帰ってふかふかのベッドに潜り込みたいとか、考えるのは後ろ向きなことばかり。
——しかし。
森を超えたら、その考えは吹き飛んだ。
その先に見えた景色を、私は一生忘れないだろう。




