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さぁ、
53.魂の歌
無口な人間が情熱を抱いていないだなんて誰が決めたんだ。
そう、自分自身に問い詰めたい気分になった。
「――!!」
気圧される。彼女を前に、私は愕然と立ち尽くした。
クラスで1番静かな彼女は歌でその想いを私に打ち付けた。
燃え上がるその魂に、心が動かされた。
彼女はこんなにも、強い人だったのか。
54.スタートの合図
「オンユアマーク」
暑い暑い夏の日。日差しの強い中、赤色をしたタータングラウンドの上で走り出す準備を始める。
泣いても笑っても、これが最後。
しん、と会場全体が静まり返った。
「セッツ」
スターターの声が響く。
直後。
——パァン!
合図は鳴った。
頬から流れた汗は、ぽたりと落ちて消えていった。




