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ないだろう。
47.とある男と女
「薄情な紅をお許し下さい」
妖艶な表情には、言葉通りの反省の色は見られない。先程かわした口づけで薬を飲まされた。体が動かない。油断していた。
紅い唇は弧を描く。銃口は、私の額を捉えた。
「さよなら」
最後の彼女の瞳に、悲しみの色を見たような気がした。
が、それは俺の願望だったかもしれない。
48.始まり
とある派遣会社に登録をした。
「では、この日程でお待ちしております」
面接を組んでくれた君は、次に面接官として私の前に現れた。
「今回の仕事は——」
仕事の紹介はいつも君から。
「好きです」
想いを打ち明けてくれたのも君から。
始まりは全て君からだった。
「ごめん」
終わりの始まりも、君からだった。




