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その道を
43.臆病者の彼女と正直者な彼
いつの間にか、呼吸をするように嘘を吐くようになった。自分を守るために嘘を吐き始めた筈なのに、繰り返す毎に身が重く、重くなっていく。
「それでいいの?」
正直者の彼は、真っ直ぐな目で私を見つめた。
「僕は君を否定しないよ」
纏っていた何かを、彼の前でなら脱ぎ捨てることができる気がした。
44.世界と世界の狭間はどこにでもある
普段と違うところに行くと、何かが起こるんじゃないかと思ってわくわくする。
しかし大概が予想の範囲内の出来事で、予想外の事件は起こらない、と、思っていたのに
「いらっしゃいませ、黄昏の森へ」
品川駅の新幹線ホームにいた筈。しかし辺りは森。喋る猫。
私は予想外の世界へ、足を踏み入れていた。




