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ヒロインと主人公、どっちにします?  作者: 紅桜もも
序章:「主人公役としてのボク」
1/2

第一話:「突然のお嬢様に、求婚したくなりました」(上)

諸事情により大幅追記&訂正……ですが、これまた諸々の都合で!!!!!


従来のスケールより四分の一弱に縮小して、(上)として公開します

 ここは、かつて僕の父親が、勇者(デンジャー)として崇められていた王国、”新論理主義国(いちゃラブ)”。


 父は生まれ持った性格からして、他の勇者と比べ物にならない。狂っているのに、その癖筋の通った言動を起こすことから、畏怖の意味合いと軽蔑、それから尊敬の意味を込めて『デンジャー』と呼ばれていたそうだ。


 というのも、父はどうやら世界の終焉を悟って自害したらしく、記憶のあるうちでは僕は父にあっていないので”伝聞の過去形”になってしまうのだ。


 彼の死を追悼する記念碑には「我らの英雄、デンジャーよ、其方の活躍をここに讃え、生きた証をここに記す」と正面に文字が掘られており裏には本名が綴られていて、もちろん僕の姓と一致しているのだけれどそれすらも聞いたことで、事実、僕は父親の事をある意味「偉人としての存在」でしか知れていない。


 そんな父は今世で生き返って――いや勿論言葉のあやだけれど――現在アニメが放送されている『奇妙なプチ王』の主人公アーサーのモデルとして存在している。今日は2クール構成の第13話にあたるところの放送日で、OPなどが一新されることもあって自分の仕事をさぼってテレビの前に今座っていた



 







 はずなんだが、僕が今こうして、闘技場に立っているのは”とある命”によって呼び出されたからに他ならない。とにもかくにも、自分自身が一番焦っているし、よくわかっていない。そりゃあそうだよ。いつもしているのは見張り番。ただボケーっと、本当にボケーっと立ってるだけ。門の反対側にいる相方なんて立ちながら鼾かいてるくらいだぜ。

 のどかな一日だとか考えてるなら甘いぞ。仮にも勇者の子供として、知識だけは蓄えようと努めてきた。うーんと、嗜好は言えないけど、ライトノベルと括られるジャンルのうちでタイプなものをひたすらにかき集めて読むのが、僕なりの勉強というやつだ。


 

 さて、本題の現状把握をしようと思う。


 5W1Hを考えたい。考えるときは俯かないとどうにも落ち着かないから、伸びきった髪を前にぶら下げて……これでいい。目を瞑って静かに胸の鼓動を聴いたら、トレースするんだ、現状を。


 

〔僕〕は白髪の混じる、肩まで伸ばした黒髪を前に寄せ集める。それから、白地にオレンジで『英雄万歳』と刷られている自分のTシャツに目線を落として、特注の濃厚な桃色のパンツとの境あたりに軽く両手を添えた。

 目を瞑るとすぐにドクンドクンと唸る鼓動を感じる。そのまま無我の境地にて複製を開始。


 


 Wの一つ目、まずはWHERE――場所。1、国際ファボ大会で使われた国立闘技場内。

 

 聞くところによると、これは勇者の実力を図るための「あること」の会場に使われていた、とか。ファボの意味はよく分からないから、ニュアンスとしてってことになるけど実際はどうだかね。資料があまり残ってないなかで、ちょっとでも知っていることに自分自身驚き。

 そうそう、長い事封鎖していたのは割と有名。今月に入ってから水面下で大掛かりな何かを企画していたと考えれば無難かな。先月までこのあたり〖(偉大なる)都市(アウグストゥビリティ)〗は静かだったし。

 大きさだけど、見物人を沢山収容できる会場だということもあって広い。実際、……っ髪の毛邪魔っと。軽く計算してみても50000人は入れそう。

 楕円じゃなくて正円形で、現在中央の僕らに目線が集まっているのは……うん、どうも”僕”じゃないね、視線を集めるのは”彼女”だ。


 

闘技場を見渡すために瞑想を切り上げた〔僕〕は、無意識に横を向いていた。左手にいる”彼女”に目線を吸われるようにして、名前も知らない女性を見つめてしまう。

 パチン、と頬を叩いた〔僕〕は次のWを追い求めて、再び思考の渦に帰る。

次回、二話:「ダンジョンにトイレ……ないのかよ」


(追記:2018/2/17時点)

編集の都合上、(上)の続編である(下)を先行実装しますが、厳密にはもう既に投稿してあります。しかしながら、改稿作業を行っていないために、しばしば食い違いがあると思われますのでご注意ください。

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