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死人が行く、黒龍転生騒乱記  作者: レキ
第1章 ~成長~
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第六話

遅れてしまって申し訳ない。

あと数話で第1章を完結させたいと思っています。

その際には人物紹介などもやります(主に容姿や性格)。

少女は僕を抱き締めながら城のなかを歩いていた。多分、食堂に向かってるんだろうけどいい加減離してくれないと僕が部屋脱け出したことバレるんだけど……ってもう遅いだろうな。仕方ない、諦めて食堂行くか。


諦めて抱き締められるがままになっているととある扉の前にたどり着いた。少女は扉を開けようと片手で押すが扉は以外と重たいのか少し揺れる程度だった。両手で押そうにも僕を片手で持ってるので無理なのだろう。


なら離せばいいじゃないかって?さっきまで部屋に戻ろうとじたばたしてたから今離すと逃げられるとでも思ってるんじゃないかな。もう諦めたから逃げないけどさ。


片手で開けるのは無理だと思ったらしく、今度は背中で扉を押していた。ゆっくりだけど少しずつ扉が開いていき、突然一気に後ろにひっくり返った。


「きゃうっ」


倒れた時に少女が可愛らしい悲鳴を上げた。扉と反対の方向を向いていたからどうなってるかわからなかったけどどうやら扉がゆっくり開くのに気がついた執事らしき人が扉を開けたらしい。

その人は今、倒れている少女と、その腕に抱えられている僕を見て唖然としていた。


少した経って執事が気を取り直したのか、


「姫様……その生き物は一体?」


戸惑いながらもなんとか質問した執事。


てか、え?この子お姫様?つまりは第二王女って感じかな?


第二王女は勢いよく起き上がって、


「拾った!」


元気よく返事をしていた。その声はなんとも透き通っていて聞く人全てを魅了するような声だった。


「ティア、一体なにを拾ったのだ?」


部屋の中にあった大きなテーブルの真ん中辺りにある椅子に腰を下ろしていたグラノの声だった。


グラノの右隣にはグラノと同じくらいの歳の女性がいた。容姿はカレンと同じく水色の腰まで伸びた流れるような髪と、出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいるモデルのような体形だった。その女性の向かいにはカレンが座っていて、なにやら顔をほんのり赤く頬を染めてそわそわしていた。


執事がティアを支えて立ち上がらせるとグラノ達の方を向かせた。

そして、僕が腕に抱えられているのを見たグラノとカレンの顔が一気に青ざめた。


「やっほー、呼ばれてないけどきたよー」


「り、リンネ殿、一体なにをしていらっしゃるので?それに、その姿は?」


震えた声で質問してくるグラノ、それに頷いているカレン、いきなり僕が喋り出したことに驚いている残りの3人と、それぞれ面白い反応が見れてちょっと満足感が沸き上がった。何故だ?


「部屋を脱け出して中庭にいたら捕まってここまで抱き締められてきた。姿については小さくなった」


顎が外れるくらいに開いてるグラノの顔を見てケタケタ笑っていると、扉の方から。


「国王様!あの龍がいなくなりました!」


と、息を荒くして飛び込んできたあの面白いメイドがいた。


「ここにいるよー」


僕がティアに抱き締められていることに驚いたあと、怒りの表情になり、


「なぜ、部屋にいないんですか!」


「あははは」


「笑ってごまかすな!」


「やめんか!ルーナ!」


あの人ルーナって名前なのか、憶えておこう。


「リンネ殿に向かって何たる言葉使いかっ!謝罪しなさい!」


おお、グラノが怒ってる。結構威圧感あるな、これが一国の王の風格なのかな。


「別にいいさ、敬語よりも砕けた喋り方の方が楽だからね。グラノも普通でいいよ」


「貴様!また国王様を呼び捨てにっ!」


「いいじゃないか、僕は人間じゃないから人間の王を敬う事なんてしない。君たちもそうだろう?獣の群れのボスに敬語や媚び諂うなんてしないはずだ。それと同じさ」


「私たちは獣などではない!」


「同じさ、生きているという点ではね」


「確かにその通りですわね」


ルーナと僕の間に今まで入る事が無かったグラノの隣りに座っている女性が声を上げた。あの人って女王なのかな?グラノの隣りに座っているし、同じ立場や身分何だろうけどさ。


「リンネ殿、と申しましたか。まずはお礼を述べさせていただきたく思います、私はファフタール王国の王であるグラノ・ベル・ファフタールの妻、レヴィ・サフナ・ファフタールと申します。夫と娘を助けていただきありがとうございました」


「い、いえ、そんな大したことでもないので……」


お礼を言われたの本人たちを除いて初めてだな、今気がついたけどメイドさんよ、あれだけ忠義があるのならお礼を言うのが普通ではないのか。

って今気がついたって顔してるな……。


「そんなことはありません、家族を助けられたのですからこちらとしては返せないほどの恩がありますから、この先困ったことがありましたら是非ともこの国を頼りにしていただきたいものですわ」


「それはどうも……」


「話をもどしますが、ルーナ。リンネ殿が仰っていることは何も間違っていません。むしろ的を射ています。私たちが生きるために殺している家畜などを殺し、肉などにする際、私たちはその群れの長にいちいち殺してもいいかなどと伺うことなどしないでしょう、つまりは私たちがしていることとリンネ殿が今していることはなんら変わりはないのですよ」


「確かにそうでございますが」


「他に何か意見でも?」


「……いえ、何もございません」


物言わせぬ迫力でルーナさんを圧倒していくレヴィさん、僕でもこの人だけは敵に回したくないかも。ルーナさんも困惑気味だ。


「ま、まあ、そういう事で普段は敬語とか使わないけど謁見とか他国との会合とかのときは一応だけど従ってるように見せるから威厳とかは保てるとは思うから、いいでしょ?グラノ、カレン、ルーナ、ティア」


「わ、わしは別に構わないが……」


「呼び捨て……(ポッ)」


「納得いかない……」


「いいよー」


「私は呼ばれないのでしょうか」


「レヴィさんはなんというか、その」


「まあ、いいでしょう」


最初困った顔をした後、すぐに笑顔になったところを見るとわざとなんだろうけどこの人やっぱ恐ろしいな。


「さあ、いろいろありましたけど食事を再開しましょうか、ティアも席に座りなさい」


柏手を打って場の空気を取り直した女王は全員に再開を促した。

ティアも軽く頷いてカレンの隣に座る。

僕?ティアが離してくれないから膝の上に座って食べさせてもらってるよ。


それはともかくとして、少し気になっていたんだけどルーナとの会話とかから見るとグラノじゃなくてレヴィさんがこの国の支配者的な立場だったりしてね。

まあ、聞いてみれば早いか。


「ねえ、もしかしてこの国の本当の王様ってグラノじゃなくてレヴィさんだったりするの?」


「あらあら、やっぱりわかりますか?」


「やっぱりその通りだったんだ」


「ええ、先代までは男の王が国を治めていたのだけれど夫がそういう事に向いていなかったの。だからそういう事に特化している家柄から嫁をとることにした、それで選ばれたのが私と言う事なのよ。そして、その嫁にこの国を代わりに治めさせることにしたのよ」


「ふーん、でも今回他国で会談したのはグラノだったよね、なんでレヴィさんじゃないの?」


「表向きは王が治めていると言う事になっているので夫が行っているのですよ」


「なぜ女王が治めていると言うことにしないの?そのほうが交渉が失敗する確率が減るんじゃない?」


「それがこの国の伝統ですから仕方ないのですよ。交渉に関してはこれがあるので問題はありません」


服の袖からペンのようなものを取り出してテーブルの上に置いた。


「これは?」


「通信型の魔法具です。これを使う事で離れた相手と念じて会話ができるのです」


「なるほどね、それを使って交渉内容を把握するわけだ」


「その通りです」


色々めんどくさそうだけどそれが国ってやつなんだろうな、僕ならすぐに放り出す自信があるね。


そのほかにも世界のことや通貨に関することを教えてもらった。


どうやらこの世界そのものには決まった名前とかは無いらしいけど伝説の生き物が住むとかあの世とかの名前はある。

僕たちが今いる世界には5つの種族がいて、人間、獣人、エルフ、ドワーフ、魔人がいる。そしてその5つの種族が生きている世界が現世、死んだ後に行く世界が死世、この世界にもある神話の中の生き物や英雄がいるとされている世界が神世、魔物が生み出されてこの世界へとやってくる場所が終世と呼ばれている。

それぞれの世界にはそれぞれの国があると言われているがそれは本当かどうかは解らないらしい。

少なくともわかっているのは現世であり、大陸と呼ばれるものは3つあり、人間と獣人が住んでいるのはそのうちの1つで、国は4つの国がある。1つがこの国、ファフタール、その他はライノーレウ、プルナ、ヴァリエスタと言う国がある。一番の強国がプルナで、弱小国がファフタールなんだと言う。

残りの大陸は魔族と言う種族しかいない大陸と、エルフやドワーフがいる大陸があるのだが、その二つの大陸の情報は今は失われているそうだ。何度か調査隊を向かわせたのだがそのどれもが戻ってこなかったのだと言う。


次に通貨だが、種類は鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、白金貨があり、鉄貨一枚で1ゲンとなっている。交換のレートは100枚ずつで、銅貨一枚で百ゲン、銀貨一枚で一万ゲン、金貨一枚で百万ゲン、白金貨一枚で一億ゲンとなっており、5人家族が一か月生活するのに銀貨十枚あれば足りるらしい。


それらを聞いたあと、各自解散となり、グラノは書斎へ、レヴィさんは執務室、カレンとティアは自室に戻ることになった。


僕?ティアの腕の中にいます。カレンとティアの部屋は隣同士でティアの部屋に入っていく僕を悔しげに見つめながらカレンが部屋に戻って行った。妹を独占されたのが悔しいのだろうか、僕に非はないと言うのに。


その後、ティアは僕とベッドで話をしていたが、入浴の時間だとメイドに連れられ一緒に入ることになって二人で風呂の中で遊んだ。僕はロリコンではないので12歳ほどの体を見ても興奮は覚えなかった。因みに僕は龍なので犯罪にはならない。


お風呂から上がった後、眠くなってしまったのか僕を抱えたままティアは眠りについてしまった。抜け出そうと身をよじったらティアが置きそうだったのでそのまま僕も寝ることにした。



カレンは15歳、ティアは12歳、グラノとレヴィは36という設定です。



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