トワの秘密
部屋には時計がリズム良く刻を刻む音が鳴り響く。
「リーナさん、教えてください!」
「トワは……孤児だったんだよ。」
孤児?トワさんは親がいなかったっていうこと?
「マヤは、魔法使いってどう思う?」
「魔法使いですか?うーん、会ったことないのでなんとも……。」
魔法使いと言えば、不思議な魔術を使う人のこと、だよね?
「そうだよね。魔法使いなんてなかなかいないもんね。でも、トワは……トワは魔法使いなんだよ。」
え?トワさんが魔法使い?
「リーナ。彼女に余計なこと言わないでくれる?」
「げっ、トワ。聞いてたの?」
「聞いてたよ。リーナが余計なことを言うだろうと思ったから戻って来たら、やっぱりだ。」
「むぅ。悪かったわね!でも、マヤだって聞きたいでしょ?トワの話。」
リーナさんが急に私に話を振ってきた。
「はい。聞きたいです、トワさんの話。」
「ほらね?だから、私がトワの代わりにマヤに話そうって思ったのよ。」
「マヤには関係ない。君は僕のことを探るより、自分の記憶探しに専念した方がいい。」
トワさんは向こうを向いてしまった。
でも、去りはしないらしい。
「……トワ、奥行かないの?」
「行かない。君がまた変なこと話しそうだから。」
「あはは~。話すわけないじゃん!」
「じゃあ、なんでこっちを見ないの?」
「……ごめんなさい。」
結局、トワさんの話は聞けずにリーナさんは帰って行ってしまった。
私はリーナさんを見送った後、その場に立ち尽くしていた。
トワさんの話が気になってしまって、いつまでも頭から離れられない。
「……そんなに僕のことが気になるの?」
「あ、トワさん!……そう、です。」
でも、トワさんは自分のことを知られるのが嫌だから、きっと教えてくれないだろうな……。
「……はぁ。とりあえず、中に入りな。風邪、引くよ?」
もしかして、トワさんは私に自分のことを教えてくれるの?
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