咲けない者達
桜はいいな
何もせずにただ立って
ほんの数日咲くだけで
「綺麗」だの「見事だ」などと褒めそやされる
今年も咲けなかった自分は
これからどうしたらいいのだろう
あと一年頑張るか、それとも……
この花が全て散る頃には
答えを出さなければならない
せめて 少しでも長く
枝にしがみついていてくれないだろうか
人間はいいな
自分の足で自由に歩き
自分の意思で咲くことが出来る
今年も勝手に咲いてしまった自分は
散ってしまえば見向きもされない
次の開花を待つだけの
孤独で退屈な日々
せめて 他の季節も
少しは見上げてくれないだろうか
花はなくとも 息吹きはあるのに
はらり ふわり さらり
ひとひら またひとひらと離れていく
どんなに願っても
留めておくことなど出来ない
新芽ばかりになった自分を
不安気に見上げる人間
その瞳に何かを贈りたいと
風に乗って枝を揺らす
初めて 自分の意思で降らせた花
「また来年」と明るく手を振る 今年最後の花
人間はそれを掴もうと
力強く 両手を伸ばした