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「『幸せ』って言ってよ」



・-・-- ・・ ・-・-・ -・- 



『あっ、もしもしナギくん!?

なんですか?あの30分前のメッセージ』



『なにって……そのまんまやけど?』



『いやいや。

突然、"準備して"とだけ送られても……って。

何、その後ろの音…………

もしかして今、外にいます?

それになんか……走ってません???』



『うん。もうすぐ……着く』



『え、どこに』



『え……ハルちゃんの家やで』



『ぅえ!?!

え、な……なんで家知って……あ。

そーいえば旅行の帰り、車で送ってもらったな……。

……いや、なんで場所覚えてるんですか!』



『俺を誰やと思ってるん?

マップ覚えるのなんか、朝飯前やん』



『こんなところでプロの意地見せなくていいんですよ。

というか私、"考えたい"って言いましたよね!?』



『無理。もう我慢できん。今すぐ会いたい』



『え゛……えぇえ…………』



『ほんまに嫌なんやったら……言うて?』



『ぐ…………ズルい。

断れないの、知ってるくせに』



『……っはぁ。やーっと着いた。

なんか……めっちゃ長く感じたわ』



『え?駅から徒歩8分ですよ?

結構気に入ってるんですけど』



『いや、そういう物理的な話やなくて……

まぁ、とりあえずさ。

下のオートロック開けてくれる?

というか、部屋何番?』



『いやいや!!

教えられるわけ………………!

私が下まで降りますから、ちょっと待って——』



『あーー寒っ。ヤバイナー。

冬空の下……このままやと凍え死ぬかも』



『………………そのくらい、耐えてくださいよ』



『だってさぁ、珍しく雪まで降ってるんやで。

耐えられるかな、俺……うわ、手ェ赤。耳冷たッ』



『くっ…………………………503です』



『ありがと。30秒で上がる』



『えー……………』




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