その?「こんにちは?こんばんは?」
気がついたら夕方だ! 最新話ですよろしくお願いします!
「はー……つかれたぁ」
ヴェルはテルを無事送り出して、机でぐでぇとしていた。
フィオナが綺麗に食べ終えたアップルパイの乗っていた皿を見てはぁとため息を着く。
「せっかく、パパのために焼いたんだけどなぁ」
残念そうな顔でニヤリと笑うヴェル。
ツギハギフェアリーテイルは元々ある童話に様々な要素をツギハギした童話なのだ。
この赤ずきんの物語にツギハギされたそれは……
“白雪姫の毒林檎”
全ての食べ物はテイリアに住む人達以外が食べると毒物として作用する。
そして、覚めない夢を見ることになるのだ。
「んー、フィオナ、もしかして、パパのこと気に入ったのかな? まぁ、どうでもいっか」
ヴェルは敢えてテルに渡さなかった白いうさぎの飾りの着いた鍵を弄ぶ。
ちなみにアリスの鍵は誰でも使える。
ヴェル自身もこの鍵を使うことはできるし、テルもこの鍵を使える。
ヴェルはそれをもちろん知っていたが、敢えてぼかして伝えた。
隠していることもあるし、いくつか嘘を教えた部分もあった。
「ふふふ……私の愛、受け取ってね、パパ」
その体躯に似合わない歪んだ妖しい笑みを浮かべるヴェル。
その真意は……今はまだ、謎のまま、物語は進んでいく。