ソロキャンプ
前回、次男のシンゴがビワイチ――琵琶湖一周に挑戦する話をしました。僕のビワイチ体験を混ぜたので、誤解があったかもしれませんが、シンゴは一泊します。
子供の時、僕はアニメが大好きでした。ルパン三世、うる星やつら、宇宙戦艦ヤマト、あげだしたら切りがない。次男のシンゴも、僕以上にアニメが大好きです。昔と違い、現代はサブスクでアニメが見放題。そんなシンゴが好きなアニメに「ソロキャン」があります。自転車旅行でキャンプをしたい理由の一つが、そのソロキャンの影響です。
また、息子たちが幼い頃から、僕はキャンプに良く連れ出していました。原体験とアニメの影響で、シンゴはキャンプが好きになりました。ただ、僕のキャンプは豪華なキャンプではありません。基本、野宿です。最低限の道具で夜を過ごします。
経験値が上がっていくと、物事に対するアプローチの方法が足し算から引き算に変化したりします。料理であれば、便利な調理道具は色々あるけれど、包丁一本で調理するようになります。洗い物が楽だからです。味付けも、専用の調味料は美味しいのですが、他のもので代用するようになります。盛り付ける皿にしてもそうです。料理ごとに皿を用意していたのでは、場所を取るし洗い物も大変です。一つにまとめるようになります。応用が利くというか、効率性を重要視するようになります。
キャンプにしてもそうです。便利な道具は色々とありますが、荷物が多くなると運ぶのが大変になります。特に自転車での移動であれば、出来る限り荷物は少なくしたい。夏場のシーズンは、夜でも暑いので寝袋は要りません。ただ、テントは必要です。虫対策です。それに、安眠という意味でも、安心感が全然違います。寝床の銀マットも是非とも用意したい。調理するためのストーブは、コンパクトなものが一つあれば事足ります。
しかし、何でもかんでも削っていくと、今度は味気ないものになっていきます。僕であれば、たとえ荷物が増えることになっても、必ず持って行くものがあります。冷えたビール、ウイスキー、七輪、炭、仕込んだ焼き鳥。火を見つめながら、思索にふけり、酔っぱらいます。その為に、ソロキャンプをすると言っても良い。
僕のそんなイメージが強い所為もあり、アルコールは無理にしても、シンゴにも夜の楽しみを語りました。ところが、シンゴはそのことには関心がありません。食事は、お湯を沸かしてカップラーメンを食べるそうです。カップラーメンは、事前に用意しません。途中でコンビニで買うそうです。僕以上にドライです。
なんにせよ、無事故で帰ってきて欲しいです。何かあれば迎えに行くつもりです。前回は、迎えに行きました。でも、自分の力で帰って来て欲しい。やり遂げた達成感は、シンゴの精神的な財産になります。シンゴの自信につながります。どちらかと言うと、控えめな性格のシンゴです。一皮むけて欲しい。