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だるっぱの呟き  作者: だるっぱ
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進路について

 この間、中学三年生になる末っ子を連れて学校見学会に行ってきました。とても暑い一日で、直前になって末っ子が「行かない!」と言い出さないか心配だったのですが、なかなかに収穫のある一日になりました。


 僕には三人の息子がいるのですが、長男は不登校、次男も不登校といった歴史を辿ってきました。そうした兄の姿を見ていた末っ子も兄を見習って同じく不登校。親からすれば、子供が素直に学校に行ってくれた方が安心なわけですが、子供には子供なりの言い分があるのでしょう。最近は不登校に対して、ガミガミと小言を言わなくなりました。ただ、同じ不登校といってもお兄ちゃん二人と、末っ子ではその不登校の理由が違うような気がするのです。お兄ちゃんたちは学校に対して何かしらのストレスを感じていたようなのですが、末っ子は違いました。


「学校は楽しいよ」


と、サラッと言ってくれるのです。イジメにあっているという感じではないし、親しい友達も何人かいました。それなら、学校に行ってくれよ……と言いたくもなるのですが、一番の原因は朝が起きれないのです。ネットに繋がったパソコンを使って、ゲームや動画制作、またそれに関係するネットの世界でのコミュニケーションに忙しくて夜遅くまで起きていました。学校に行く必要性を感じておらず、学校は二の次。デジタル世代な末っ子でした。


 実は長男は大学で仲間とゲームソフトを作成していて、コンテストに出品して入賞も果たしていました。そんな長男の影響もあり、末っ子もプログラムにも興味があるのですが、それ以上に動画作成を趣味にしていました。動画というのは、カメラで撮影したものを編集するのではなく、アニメーションに近いものです。YouTubeにもアップしていました。そうした経緯から、末っ子は絵を描くことも好きなのです。


 中学校の進路説明会に参加したおりに、大阪工芸高校の存在を知りました。末っ子は、学校に行けていないので普通科の進学はとても難しい。絵を描くことが好きな末っ子なら興味を示すのではないかと思い、その高校のことを話しました。すると、「興味がある」と言います。ところが、オープンキャンパスの予約をして準備をしていたのに、当日になって「行きたくない」と言い出しました。 


 ――おいおい。


 末っ子が考えていることが分かりません。かといって、親の押し付けもしたくない。本人が希望する進路をなんとか見つけたい。そんな折、嫁さんが単位制の高校の資料案内をネットで請求しました。総合案内みたいなサイトで請求したようで、その日以来、単位制の高校の資料が次々と家に届くようになり、毎日のように高校から電話がかかるようになりました。嫁さんは昼間は仕事をしているので、早くに帰宅する僕がほとんどの電話を受けます。どの高校も、おおよそ同じような内容の話をされました。素人の僕にはどの高校が良いのかが分からない。請求しておいてなんですが、まるで迷惑電話のようでした。そんな中の一つに、ECCコンピュータ専門学校高等課程がありました。


「こんな高校があるけど?」


 厳密には専門学校で高校ではないのですが、卒業すれば高校卒業の資格を手に入れることが出来ます。末っ子が興味を示しました。学校見学会があり、コースが3つあります。

・ITプログラミングコース

・ゲームクリエイターコース

・CGクリエイターコース

 末っ子は、CGクリエイターコースを希望しました。学校見学会に僕と二人で参加することになったのです。


 学校は、阪急梅田駅を降りて徒歩5分くらいの所にあります。辺りには、ECCのビルが幾つも建っていました、誰が呼んだかこの辺りは「ECC村」と呼ばれているそうです。受付を済ませると係の人に案内されて、説明会場に案内されました。末っ子を含めて、10人程度の参加者がいます。手渡されたパンフレットを末っ子に渡すと、食い入るように読み始めました。思った以上に、末っ子が反応しています。


 その後、学校説明会やパソコンを使った体験授業、それに個人面談がありました。あっという間の4時間弱。傍についていながら僕も楽しませていただきました。なんなら、僕が入学したいと思ったくらいです。ECCコンピュータ専門学校は歴史が古く、IT業界やゲーム業界との繋がりがとても強いことを知りました。また校風がかなり明るくて、先生も生徒も楽しそうな雰囲気がとても印象的。末っ子もこの学校で勉強してみたいと思ったようです。


 まだ、入学はしていませんし、未来は未定です。ただ、末っ子が未来を考え始めたことがとても嬉しい。大人でもそうですが、自分の進むべき道というはなかなか分かりません。分かったとしても強い意志が必要です。まだまだ安心は出来ませんが、ひとまず末っ子は一歩を踏み出せそうです。

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