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だるっぱの呟き  作者: だるっぱ
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ランニングと人間の自由意志と天ぷら

 山登りの為に、2週間ぶりに12kmのランニングをしました。暑い炎天下の中でしたが、思った以上に走れました。僕のランニングは、走り終えた後の晩酌とセットで考えています。今晩の日本酒のアテは、


 ――鯛の天ぷら黒酢あんかけ


 煮つけにしようと鯛の切り身を買っていたのですが、甘酸っぱいものが食べたくなったので方向転換。ランニング前に、人参と玉ねぎを具材にした甘い黒酢あんを用意します。他にも下準備として、鯛の切り身は塩コショウして、序に鶏のモモ肉も塩コショウして冷蔵庫に仕舞いました。これらの具材は、ランニングから帰ってきたら天ぷらにします。他にも、白ネギとミニトマトも天ぷらにするつもり。お皿に、鯛とモモ肉と白ネギとミニトマトの天ぷらを盛り付けて、上からドバっと黒酢あんをたっぷりと掛けます。これは美味そう。


 ランニングは、一生懸命には走りません。ゆっくりゆっくり走ります。走りながら、オーディブルを聞きました。書籍は、ハラリ著作「ホモ・デウス下」になります。サピエンス全史に続き、この書籍も内容が深い。そんでもってかなり難しい。走りながら可愛らしい女の子を見つけて、気を取られてしまうと、話に付いていくことが出来なくなります。なので、地面を見つめながら真剣に聞き入りました。


 「ホモ・デウス」は書籍も購入しているのですが、オーディブルがとても便利。走ることで血流が巡っているせいか集中力も高まっており、ランニングとの相性がとても良いのです。内容は、過去を解き明かしながら、人類の未来を語っています。昨日の話は、未来には人間の自由意志というものが無くなっていくという話でした。ただ、要約するのが難しい。


 現代の僕たちは自由意志があると思っています。喉が渇いたら、水を飲むのかビールを飲むのか選択することが出来るし、その選択は自由意思に任されています。でもこの自由意志を尊重する思想は、産業革命以降から始まった比較的新しい思想でした。近代までの世界は、神が人間の行動を制限していたからです。


 資本主義経済は、人間の自由意志を尊重しています。人々が欲しいと思うものを供給して利益を得ているからです。この人々が何を欲しているのかを知ることが出来れば、商売を繁盛させることができます。ネットワークが進んだ現代においては、人々の自由意志はデータとして集められ、AIによって解析されるようになりました。更にはこの自由意志を、高度なサイエンスや遺伝子レベルの医学的アプローチで制御しようとしています。未来において、僕たちの自由意志は制御され管理されるのでは……。そんな話でした。


 かなり考えさせられる話でしたが、情報が多い。とても難しい。思考が疲れてきたので、10kmを越えた辺りで聞くのを止めて、音楽を聴くことにしました。太陽がもう直ぐ沈みます。夕暮れの街並みに、山下達郎の声が染み入ります。


 帰宅すると、真っ先に風呂に入りました。膝のアイシングを行います。とても喉が渇いていました。風呂を出たら、真っ先にビール。そんでもって、天ぷらを揚げよう。

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