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だるっぱの呟き  作者: だるっぱ
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雪山登山ー前日

 昨日、張り替え用のシートカバーが届いたので作業を行いました。僕のスーパーカブは2003年に製造されたカブストリートという製品で、カラーは黄色と白のツートンカラーになります。シートは黒地に白いラインが後ろの方にあしらわれていて「HONDA]のロゴがプリントされています。そんな僕のスーパーカブをコロナ渦にイメージチェンジしました。カラーは、黄色と黒。足回りの風防は白から黒色になります。そんな僕のスーパーカブでしたが、シートだけ白色が残っていました。ツートンカラーと言いつつも微妙に白色が混ざっていたのです。今回、HONDA純正のシートカバーを手に入れたのですが、これが黒一色。つまり、今回の張り替え作業で完全なツートンカラーになるのです。


 必要な道具は、タッカー。タッカーとは、ホッチキスの親分みたいなやつで、壁紙を張る時に使われます。シートカバーを貼り付けるとき、このタッカーを使って固定します。そのタッカーですが、ネットの情報で100均のダイソーで売っているとの情報を得ました。普段使うことがない道具なので、ダイソーの安物を購入することにします。定価は税込み330円と、ダイソーでは少しお高い商品でした。しかし、これが安物買いの銭失いだったのです。


 ダイソータッカーの針の規格は、横幅が11.5㎜になります。ステープラーが10㎜なのでそれよりも少し大きい。ところが、ダイソーでタッカーを購入したものの、肝心の針が一緒に売っていません。しかし、ダイソータッカーには、専用の針を使ってくださいとの注意書きがあります。近所にあるダイソーを2軒回りましたが、タッカーは打っているのに、肝心の針が売っていない。ネットで調べると、国産タッカーの針が代用できるとありました。規格は12㎜。ダイソーより、0.5㎜だけ大きい。少し心配になりながらも、ホームセンターで横幅が12㎜のタッカーの針を購入しました。


 家に帰り、早速作業に入ります。作業そのものは難しいものではありません。スーパーカブからシートを取り外し、ボロボロに破れてしまったシートを剥がします。シートを外すとき、打ち込まれたタッカーの針をマイナスドライバーを使って一本づつ引き抜くのですが、針の数が多いので地味に時間がかかります。


 シートをはぎ取ると、中からウレタンのクッションが姿を現わしました。年季が入ったウレタンは変色しており、最も体重がかかっていたところは割れていました。当初はこのウレタンも交換するつもりだったのですが、やめました。何故かというと、純正のウレタンはシートの形に成型されており、専用のシートカバーとぴったり合うからです。僕が用意したウレタンフォームを加工しても、純正のように成型することはできません。割れたウレタンを紐で固定して、ウレタンを少し増加して、シートカバーを被せました。


 後は、タッカーを使ってシートカバーを裏側から固定するだけです。12㎜の針をダイソータッカーに装着しますが、0.5㎜の差のせいで微妙に入りにくい。シートを引っ張って、裏側からタッカーを打ち込みます。


 バチン!


 かなり強いバネを使っているようです。炸裂音が大きい。打ち込んだ場所を確認すると、きれいに打ち込まれていました。続けて2度3度と打ち込んでいきます。問題ない。安心して次々と打ち込んでいったのですが、半分くらい打ち終えたところで問題が発生しました。針が中で詰まってしまったのです。あれやこれや針を押し込んだり取り出そうとしたりしましたが、奥の方にあるので対処のしようがありません。思案に暮れました。タッカーの打ち込みを半分残したまま、作業を終えることは出来ません。結局のところ、再度タッカーを買うことにしました。


 作業途中のシートをスーパーカブに取り付けて、ホームセンターに向かいます。また故障したとしても、再度ダイソーで購入した方が安いしな……とも考えましたが止めました。同じことを繰り返すなんて愚の骨頂です。ホームセンターでは、3種類のタッカーが販売されていました。安いものは、針が200本付属して767円になります。


 ――安い!


 ダイソータッカーが330円、針だけを別に購入して250円。合わせて580円。これなら、最初からホームセンターで購入していた方が良かった。ダイソーのプラスチック製に対して、こちらはスチール製です。耐久力が違う。


 家に帰り、残りの作業を終えて、シートカバーの張り替えが完了しました。パッと見、新品かと思うくらいに綺麗に仕上がりました。座り心地も申し分ない。でも、小一時間で終わる作業に、3時間も費やしてしまいました。スーパーカブの整備で他にもやりたいことがあったのですが、日が暮れたのでこれにて終了。そんでもってかなり疲れました。


 明日の朝、八経ヶ岳に向かいます。奈良の天川村まで、スーパーカブで4時間。登山口から7時間かけて、最高峰に向かいます。夜は避難小屋の中にテントを張って宿泊。酒のアテは溶かした雪を使った鍋になります。今回の登山では、テントや寝袋を背負って山に登るので、出来るだけ荷物の重量は軽くしたい。スーパーカブで野宿旅をするときは飲料用の水を運ぶのですが、山登りでは必要以上の水は持ちたくない。そこで、雪を使います。


 山の上は銀世界。使いきれない程の雪がそれこそ山のようにありますが、水にして使うとなると手間が掛かります。まず、氷点下10度ほどの世界で雪を解かすには、火が必要でした。ところが、普段使っているバーナーのカートリッジは寒冷地用でもマイナス5度までと表記されています。使えなくはないんですが、それ以上寒いとなかなかガスが気化しない。ガスが気化する時、熱を奪うのでカートリッジは更に冷えます。以前、氷点下でバーナーを使ったら、カートリッジが冷えすぎて氷が発生し、地面に固着してしまいました。推奨はされないんですが、ホッカイロで温めながら使うつもりです。


 雪を飲料用にする場合、綺麗に見えますが煮沸消毒が必要になります。溶かすだけでなく沸騰させないとお腹を下します。更にホコリや木の枝といったゴミを含んでいるので、フィルターでろ過しなければなりません。また、雪を解かす作業はとても時間がかかるそうです。じっと座ったまま、テント内に水をこぼさないように、丁寧に作業を行う必要があります。雪山での宿泊の大半は、水づくりに時間を費やす……と、経験者が語っていました。というわけで、今回のメインのミッションは、


 ――八経ヶ岳の雪を使って鍋を食らう!


になります。極寒の中での食事なので、鍋が温まります。とても楽しみにしています。


 今回の雪中泊では、持っていくお酒で思案しています。ビールは3缶ほど持っていくつもりですが、なんでもかんでも凍ってしまう世界なので凍らないように注意しなければいけません。あと、日本酒の熱燗が飲みたい。ただ、いつもなら七輪とガスバーナーと火元が2つあるのに、今回は登山なのでガスバーナーのみ。鍋に火をかけながらでは、同時に熱燗を用意することが出来ません。鍋を作り切った後なら、熱燗も出来るのですが、時間差になります。また、熱燗を用意するために、道具も別に用意する必要があります。まだパッキングはしていないので、荷物として詰めるようなら積んでいきます。


 無理なら、ウィスキーで良いかな~と思ってみたり。ウィスキーを持っていくのなら、道具はいりません。ただ、ウィスキーと鍋は合わないので別にアテが欲しい。チーズは勿論のこと、ナッツ類が会います。それとこの間、青森産の熟成黒ニンニクを初めて食べたのですが、これドライフルーツみたいでした。食べながら思ったんです。


 ――これ、ウィスキーのアテや!


 ウィスキーを持っていくのなら、熟成黒ニンニクを持って行っても良いな~と思っています。熱燗にするか、ウィスキーにするか、それが問題だ。

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