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だるっぱの呟き  作者: だるっぱ
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ヴィンランド・サガとテントポール

 家には沢山の漫画があります。横山光輝の三国志や手塚治虫の火の鳥。宮崎駿のナウシカや三浦建太郎のベルセルクといったメジャーなものから、マニアックなものまで色々。気になったらついつい大人買いしてしまいます。嫁さんから、「邪魔だから処分して」と言われてオロオロしたことも。最近はスマホで漫画を読むことが多い。


 現在、漫画アプリ「マンガBANG]で、幸村誠の「ヴィンランド・サガ」を読むことが出来ます。幸村誠は、宇宙デブリを扱った漫画「プラテネス」で作家デビューしました。「プラテネス」……読んだことありますか? 僕は漫画も読んだし、アニメも鑑賞しました。非常に面白い作品でした。その幸村誠が、2005年から連載を開始したのが「ヴィンランド・サガ」になります。休載を繰り返し、雑誌も変えながら連載が続けられて、20年目にしてとうとう最終章が綴られています。この漫画が面白い。


 舞台は、11世紀初頭のヨーロッパ。当時のヨーロッパの覇者は、キリスト教を受容するフランク王国になります。ところが、そのフランク王国を脅かす勢力がありました。北ヨーロッパを拠点とするヴァイキングになります。ヴァイキングの信仰は北欧神話で、主神オーディン、軍神テュール、雷神トールといった神々を信じていいます。「ヴィンランド・サガ」では、この北欧神話を信じる彼らの生き方がとても顕著に描かれていました。


 漫画の中では、戦争による暴力が手加減なく描かれています。ヴァイキングは戦争が生き甲斐でした。武勇を示すことが、彼らにとっての生きることであり、勝者は全てを手に入れていい。略奪や強姦は、勝者の特権でした。自分が傷つき戦うことが出来なくなると、仲間に頼みます。


「楽にしてくれ」


 仲間は、剣を振り上げて息の根を止めます。それが彼らにとっての優しさでした。現代とはあまりにも違いすぎる価値観が、とても良く表現されています。このような世界観の中で、主人公は、生きることの意味について悩みます。主人公のトルフィンは、ヴァイキングの中で戦鬼トロルと呼ばれた父トールズの息子でした。その尊敬する父が目の前で殺されてしまいます。それ以降、トルフィンは戦火の渦に巻き込まれていきました。若くして戦乱の世を駆け巡り、奴隷に落とされ、生きることの意味を探します。


 トルフィンは幼い頃に、船乗りの叔父さんから、海の西の果てに平和の楽土があることを聞かされていました。そこは、戦乱がなく実り豊かな土地が広がっているそうなのです。その土地は、ヴィンランドと呼ばれていました。現在の北アメリカ大陸だとされています。絶望に打ちのめされるトルフィンにとって、ヴィンランドは心の支えでした。


 いやー、面白い。まだ、読んでいる途中なのですが、僕が描きたい世界観でした。この物語の根底に、北欧神話やキリスト教といった思想が流れています。価値観の違いが丁寧に描かれていました。幸村誠、マジで天才です。プラテネスの時も感じたのですが、人間の心の機微を描くのが非常に上手い。とても参考になる~。


 話は変わりまして、昨日、テントポールを加工しました。パイプカッターで、購入したポールを短くしたんです。作業自体はとても簡単で、直ぐに終わりました。なぜ、そんな手間を掛けているのかというと、昨年のGWに丹後半島に旅行に行きましたが、あの時にテントポールを紛失したのです。従兄の遺品だっただけに、かなりショック。従兄が残したテントは、エスパースの「ウィンター・ソロ」といって、雪山で使用する一人用の軽量テントでした。どんなに軽量でも、テントポールがなければ使用できません。今月末に雪山に登りますが、このテントがないと、マジで死ぬ。そこで、テントポールを探していたんです。メーカーに問い合わせると、ポールだけ購入することは出来ました。ただ、かなりお高い。それで、代替品を探したんです。アルミ製の軽量ポールを見つけました。価格は4分の1。かなり安い上に、既製品と同じ規格のポールなのです。ただ、少し長い。その長い部分をカットしました。とても嬉しい。何度も使用してきた愛着のあるテントで、寒い冬を共にしてきた戦友。このテントが本当の意味で真価を発揮するのは雪山でした。大きな仕事を終えたような気分です。


 出発まで、まだ半月あります。それまでに、まだまだ準備が必要です。この準備期間というのは、ひょっとすると一番楽しい時間かもしれません。当日は、黙々とタスクを消化していきます。大自然に触れて感動はマックスになりますが、それ以上にはなりません。準備期間というのは創造的な作業で、ずっと期待値を挙げている期間でもあります。ワクワクするんです。とても楽しい。


 まだ計画段階ですが、八経ヶ岳に登る前に、息子と高見山に登るかもしれません。高見山は標高1248mの山で、樹氷を見ることが出来ます。登山客は多く、登山レベルもそれほど高くない。引きこもりの息子を連れ出すという大目的もありますが、僕にとっても本格的な登山前の練習に丁度良い。これも楽しみです。

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