大杉谷に向かいます
11月の最初の連休、心配していた天気は思いのほか回復してきました。今日の雨は回避できないものの明日からは良い天気みたい。大杉谷から大台ヶ原への登山は雨を覚悟していたのですが、というか雨登山を楽しみにしている僕がいたのですが、晴れるのであれば上々。深い渓谷が赤く染まっている様子を堪能したいと思います。
これまでに野宿旅は散々行ってきたのですが、本格的な登山は初めてになります。登山に向けて「YAMAP」というアプリをスマホにインストールしました。とても便利なアプリで、登山の計画を入力するだけで様々なデータを得ることが出来ます。今回の計画では、僕は33.5kmを歩くことになります。山の中を上ったり下りたりを繰り返すのですが、登りの累計は3438mになるそうです。予想されるこれらの行動に必要な時間は、およそ20時間。さすがに一日では消化できないので山頂にある宿屋で一泊します。このアプリには、コース定数という面白い指標がありました。今回の計画でのコース定数は88。この88がどれだけの数値なのかを少し比較してみたいと思います。
日本百名山の一つである標高1,377mの伊吹山の場合は、11.9kmのコースを選んだ場合のコース定数は30になります。日本一高い標高3,776mの富士山の場合は、20.7kmのコースで58。映画にもなった標高2,999mの剣岳の場合だと、16.8kmのコースで55になります。剣岳の見積もりは一見すると簡単そうに見えますが、あの山を登るのであれば高度な登山スキルが必要になります。今の僕では挑戦が出来ません。コース定数の算出の仕方は良く分からないのですが、登山における体力的な辛さと考えて間違いないと思います。
初心者の僕が本格的な登山に挑戦するわけですが、感覚的にはフルマラソンに参加するような気持で、とてもワクワクしています。登山に向けての準備は、野宿旅とそれほど変わらないのですが、変化があったところを少しご紹介します。
まず、登山靴を買いました。ケチ臭い僕ですが、ゴアテックス製の少々お高い靴を購入しました。今後は、多くの旅で、この靴を使用すると思います。相棒のスーパーカブのように末長く付き合っていきたい。ワークマンで買ったレインスーツも、今後は僕にとって重要なアイテムになります。
それと、ガソリンの携行缶をとうとう購入しました。消防法にのっとった容量750mlの小さいものです。今年の正月は、紀伊半島の一周旅行でガス欠を経験しました。あの時はガソリンスタンドを求めて30kmも歩いたのですが、非常に辛かった。スーパーカブの燃料タンクは4リットルしかありません。燃費が良いとはいえ一回の航続距離はかなり短い。紀伊半島の山の中はスタンドが少ない上、日曜日がお休みだったりします。登山を終えた後に、ガス欠なんて考えられません。保険ではありますが、携行缶を購入したことで精神的な余裕が生まれました。
後は、熊撃退スプレーを自作しました。唐辛子を焼酎に漬け込んでカプサイシンを抽出したものです。少し舐めてみましたが、とってもヤバイ。万が一熊と遭遇した場合に使用しますが、使い方に注意があります。それは、風下での使用は厳禁ということです。自分の顔に降りかかったら、大変なことになります。使わないで済むことを祈ります。
仕事を終えた昼過ぎに出発します。三重県の大杉谷に到着したころには、日が落ちて真っ暗でしょう。更には、雨がまだ降っている。今晩の野宿について、頭の中で色々とシュミレーションをしています。テントは張りますが、屋根のある休憩所を見つけているので、食事は屋根の下でゆっくりと堪能するつもりです。ビールとウィスキーを用意しました。アテは、焼き鳥、水なすのぬか漬け、チーズといったラインナップです。〆にチキンラーメン。深い闇の中で酔っぱらいます。




