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だるっぱの呟き  作者: だるっぱ
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ニューヒーロー納豆

 年を重ねてくると、若いころに好きだった脂っこい食べ物が苦手になってきました。アヒージョにしても、焼き肉のシマチョウにしても美味しいのですが、多くの脂を摂りすぎると次の日にお腹を下したりします。加齢から、油脂に対する耐性が低下しているのかもしれません。また、食事の量そのものも減ってきており、一日二食。朝昼兼用の食事と、夜は晩酌だけというスタイルが定着しました。そうした食事の中で、最も力を入れているのが晩酌になります。


 お酒を飲むときは基本的に白ご飯は食べません。最初の一杯はビールですが、その後は日本酒であったり焼酎であったりウィスキーに変化します。お酒の変化は、アテによって変えています。脂が強い料理の時は焼酎のロックを好んで飲みますし、チーズを口にするときはウィスキーのロックだったりします。あっさりとした和食であれば、やっぱり日本酒が美味しい。


 日本古来の保存食として漬物があります。昨今は食品衛生法が改定されたことによって、日本各地の伝統の漬物が販売できなくなるという事態に陥っているようです。食中毒を防ぐために菌を寄せ付けない対応を迫られているわけですが、漬物は菌の力を借りて作られています。目に見えない菌といっても、食中毒を起こす菌もいれば、伝統的な和食文化を支えてきた菌もいるわけです。日本酒にしたって醤油や味噌にしたって菌がいなければ作ることが出来ません。菌とひとくくりにせず、何か対処法は無いのかなと、外野の僕は思ったりします。


 そうした菌を使った手ごろな漬物に「ぬか漬け」があります。僕の冷蔵庫にはぬか床にした二つのタッパーがあります。一つは、水なすと太いキュウリが眠っています。水なすのぬか漬け……非常に美味しいです。丸のまま二日以上寝かします。他のなすびとは別格。口の中でほんのりと甘さを感じさせながら溶けていきます。そう、溶けていくんです。これが日本酒とよく合う。醤油も美味しいものを使っています。


 もう一つのぬか床には、イワシが入っています。頭を落として内臓を摂り、塩で水抜きをしたイワシがゴロゴロと入っています。いわゆるヘシコですね。これが、日本酒に本当によく合う。最近は、そうした自家製のぬか漬けをアテにして日本酒を飲むことで幸せを感じています。そうした伝統的な和食文化いや発酵文化における、僕のニューヒーローが生まれるかもしれません。それが表題にある「納豆」なのです。


 独身で一人暮らしをしていたころ、安いウィスキーの代名詞であるブラックニッカを飲んでいました。アテはチーズが美味しいのですが、変化球として納豆も食べていました。これが美味しい。ウィスキーが好きで、納豆をアテにしたことがない方がいれば、是非とも試してほしい。相性抜群。


 そんな納豆を仕込みました。豆は二種類、乾燥黒豆と乾燥枝豆を使います。一晩、たっぷりの水で戻した豆を蒸します。いつもなら茹でていたのですが、今回は蒸しました。その方が豆本来の美味しさが水に逃げないそうです。その蒸された豆を、煮沸消毒したわらで包みました。現在、湯たんぽで温度管理された環境で眠っています。どのような仕上がりになるのか、非常に楽しみにしています。


 納豆の臭いは、どちらかというと苦手です。でもそれは他人が食べていて、自分が食べていないときに不快に感じます。自分が食べているときは、やっぱり美味い。そんな納豆の臭いですが、発酵したての状態では臭いが強いそうです。その納豆を冷蔵庫で24時間寝かせると、臭いが落ち着きさら旨味も増すと紹介されていました。つまり、食べるタイミングは明日の晩酌になりますが、どんな美味しさに育っているのか、今から楽しみにしています。

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