鍵穴専用潤滑剤
相棒であるスーパーカブとは20年来の付き合いになります。雨の日も風の日も、今年の正月に行った紀伊半島一周の旅でも苦難を共にしました。僕のベストフレンド。ところが、走行距離が7万キロを超えた頃から、所々に不具合を感じるようになりました。素人整備ですが、オイル交換に始まりタイヤやチェーン等の交換は随時しています。そうした消耗品の交換は不具合が分かりやすく処置は簡単なのですが、現在、頭を悩ましているのはスピードが出なくなったことなんです。この原因が、今一つ分からない。
スピードが出ないということは、エンジンの周辺に問題があるということです。エンジンを快適に動かすためには、良い空気と良い発火と適切なガソリンの噴射が必要だとどこかで説明されていました。良い空気を確保する為にエアーフィルターを交換しました。良い発火の為にプラグを交換しました。残るは適切なガソリンの噴射になります。
エンジンにガソリンを送り込む供給装置には、インジェクションとキャブレターがあります。インジェクションはガソリンの気化をコンピューター制御で行います。対して、キャブレターはアナログ的にガソリンを気化します。2008年に排ガス規制が施行されるまではキャブレターは一般的だったのですが、その後使用が出来なくなります。つまり、キャブレターは、オールド・テクノロジーなわけです。20年来の相棒は、そのキャブレターでした。
この様に見ていくと、エンジン不調の原因はどうもキャブレターであることが濃厚です。サイトを調べると、古いキャブレターは内部にニカワの様な汚れが付着したりするそうで、その汚れがガソリンを噴射する小さな穴に干渉してしまうとエンジンは元気よく爆発することが出来ない。つまり、そのキャブレターをどうにかすれば、相棒は元気になるわけです。
方法としては、キャブレターの分解洗浄があります。色々と調べてはいるのですが、素人の僕には少し専門的な世界に見えます。現在は、とても忙しくしているのでそうした整備は出来ませんが、折を見てバラしてみるつもりです。ああ、怖い。壊してしまったらどうしよう~。
そうしたエンジンに関係する不具合とは別に、もう一つ頭を悩ましている問題がありました。それが、鍵なんです。いつも通り、普通に鍵穴に鍵を指して回そうとしたら、回らない。
――あれ?
力任せに回そうとしたら、少し鍵が曲がってしまいました。
――ええええええええ!
鍵を取り出して観察しました。物凄く摩耗しています。20年間、毎日毎日鍵穴に差し込んだ影響で鍵の山が削られています。同じように、シリンダーもかなりのダメージがあると予想されます。その日は、家が近かったこともあり、バイクを押して帰りました。
その日以降、鍵がなかなか回らない。深く差したり浅く差したりしと、色々と試してみるとやっと回る。エンジンを掛けるまでに、1分くらいは格闘することになりました。スペアキーは無くしているので、少し曲がった鍵を大切に扱う必要があります。キーシリンダーの交換も考えていました。
そんな中、サイトに新しい情報を見つけます。表題にもある鍵穴専用潤滑剤でした。実は、鍵穴にクレ550でも吹き付けてやろうかと考えていたのです。しかし、それは大悪手でした。油を吹きつけた直後は回るそうなのですが、その後油にゴミが付着してしまい鍵穴がゴミで詰まってしまうそうなのです。鍵穴専用潤滑剤は、極々微小のパウダーによって潤滑効果を発揮するそうです。半信半疑だったのですが、使ってみると見事に鍵穴が回るようになりました。クルクルと回ります。あー、良かった。




