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だるっぱの呟き  作者: だるっぱ
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またあるさ!

 夕方の5時、帰ってきました。風呂に入り、汗を流しました。ビール片手に、パソコンの前に座り、この文章を書き始めています。全ての計画は失敗に終わってしまいました。まー、でも、残念には思っていません。計画していたことが、上手くいかないなんて、よくある事です。逆に、上手くいきすぎると、返って面白くないじゃないですか、とかなんとか、自分に言い聞かせてみる。


 僕は、シンゴが出発した後、家の中でGPSで示されるシンゴを見ていました。「大津に入ったら僕も出発しよう!」くらいに考えていました。しかし、シンゴのGPSは国道1号線と名神高速道路が交差する辺りから、遅々として進みません。そのまま北上して京都市内に入ればいいのに、名神高速道路の下を走ろうとしています。あの辺りは、道が細く入り組んでいます。どうも、道に迷っているようでした。僕は、地図が頭の中に入っているので、最適な道順がイメージ出来ます。しかし、シンゴはグーグルのナビが示す道を走っているようです。地図の全景が見えていない。車専用のナビなら、高速道路やバイパスを提示されてしまうと、自転車では走ることが出来ません。どうも、そんなことが原因で、迂回しているようでした。でも、それでも、何とか走り出しました。時間は大幅にロスしましたが、京都の山科に入ることが出来ました。さて、もうそろそろ、僕も出発しようか。準備を終えていた僕は、車に乗り込みエンジンを掛けました。ハンドルを握り走り出して5分。僕のスマホが鳴りました。シンゴからです。車を路肩に停めました。


「もしもし、どんな感じや?」


「行き止まりで行かれへん」


「えっ! どういうこと」


「雨のせいで、通行止めになってる」


 一旦、スマホを切って、調べました。シンゴの言う通りでした。山科から滋賀県に抜ける為には、1号線と161号線、二本の国道を利用して抜けることが出来ます。しかし、その二本とも土砂崩れで通行止めになっていました。車であれば、名神高速道路やバイパスを使えば通れるのでしょうが、自転車では走れません。シンゴに電話をします。


「どうする?」


「気持ちが折れた。帰る」


「うん、ええと思うで。どう? 自分で帰れそうか?」


「無理、もうクタクタ」


「分かった。帰れるところまで、帰って来てや。パパも、これから迎えに行く」


「分かった」


 軽トラに乗って、シンゴを迎えに行きました。行きの車中で、今後の小説について、プロットを考えていました。帰りの車中では、シンゴのしんどかった話を笑いながら聞いていました。計画は失敗に終わりましたが、これで終わりではありません。これも良い経験になるでしょう。そんなことを思いながら、ビールを飲んでいるだるっぱでした。

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