Whose is this milk?
初めて書いた小説です。読みづらいかもしれませんが、気軽に読んで頂けると幸いです。
「ちょっと、これ、誰の!?」
昼休みの後の5時間目。昼食でお腹が満たされうとうとしていた私は、高城先生|(年齢はヒミツ。彼氏募集中)の叫び声で目が覚めた。
「何がですか〜先生」
「牛乳!!一個余ってるでしょうが!」
本当だ‥。私は、確か飲んだ。ホッとすると同時に、何か悪い予感。そして、大抵こういう予感は現実となることを、私は知っている。
先生がため息をついて言う。
「飲んでない人??怒らないから手を上げて?」
いや絶対怒るよね?という疑問と同時にめんどくさいから誰か白状して‥という願いを皆抱いたが、誰も手を上げない。
「はぁ?いない訳ないじゃない?立ちなさいっ!全員!!」
この状態の先生に歯向かうほど私達は馬鹿じゃない。1年1組の12人全員が恐る恐る立ち上がる。
たまにあるよね、こういうの。立たせて、犯人じゃない人を座らせてって、あぶり出すやつ。これ結構怖いから嫌いなんだけど‥
「僕、持ってます!」「私も」「俺も持ってる!!」
心なしか嬉しそうに鞄の中の牛乳を見せる3人。そりゃそうだ。とにかく、あとの容疑者は9人。
「佐川ちゃんと辻ちゃんとご飯食べたとき、私飲んでたよね。」
隣から錦部さんが話しかけてきた。
「うん、飲んでた。辻さんも飲んでたしね。」「佐川ちゃんも。」
「その3人が飲んでたの見てた人いる?」「あぁ、間違いない。」
「じゃあ、そうなんでしょう。座っていいわよ。」
良かった〜!!無実が証明されて、自然と頬が緩む。ということは、あと6人。
「うち坂須にあげた〜」「ウチもウチも!!ねぇ、坂須。」
大柄な男子、坂須が振り返る。
「あぁ、もらったよ。ちゃんと飲んだ、自分の分まで。大河と同じ机だったから、アリバイはあるだろ。」
坂須と大河は仲が良いから、いつも同じ机だよね。いや、今回これは良くて、ってことは‥あと、2人?全員がその2人の方を見る。
「いや、ちょっと待て!!俺らも飲んだって!!だよな、松山?」
「うん、飲んだし!!」
「確かに松山くんたちも飲んでたわね。」と先生は腕組み。
これ、授業が潰れて迷宮入りするパターン??最悪‥。
「佐川さん。」「は、はいっ?」
私‥えっと、飲んだ、よね??
「牛乳12個本当にあった?当番だったでしょう?」
なんか、聞かれたら不安になる‥。
「多分、12個だったと思いますけど‥。少なかったら違和感あるでしょうし。」
何せ12個しかないのだから。
「そうねぇ‥」「うーん‥」「えー?」
皆悩んでいる。そりゃあ全員「飲んでいない」という証拠がないのに、事実として牛乳は1個残っているからね‥。
「坂須、本当に3個飲んだのかよ?1個ぐらい忘れてんじゃねーの?」
坂須に疑いがかかった。
「いや飲んだって!!机の上にあっただろ、3つ。」
はぁ‥。じゃあ牛乳を飲んでいない犯人は誰??
「ちょっと待って!!」
先生が目を見開く。
「坂須くん、今なんて言った?」
「えっ、『机の上にあっただろ、3つ』?」
「それよ!」
先生、一体何を閃いたのだろう?
「坂須くんは大河くんと一緒にご飯食べてたでしょう?と、い、う、こ、と、は、机の上に坂須くんの3個、大河くんの2個の合計4個なきゃおかしいじゃない!」
確かに!!気がつかなかった。
「じゃあ‥?」
誰からともなくつぶやく。
「「大河は坂須の牛乳を飲んでいた?」」
教室中が大爆笑につつまれた。この不可解な事件の真相、それは男子二人が同じ牛乳を飲んでいたということだったのだ。
「全く‥、はい!授業始めるよ!!」
そういう先生もまだ少し笑っていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
結局、残った牛乳は坂須が責任をとって美味しくいただきましたとさ。めでたしめでたし?
少しでも面白かった!!と言う方は、ポイント、レビュー、コメントよろしくお願い致します!!作者の励みになります!