ハンモックと、夕暮れ。
ゆらゆらと うとうとして
決して風に委せるでもなく
むしろ 自分で漕いでいる
湿った空気に サヨナラを告げ
ゆらゆらと うとうとして
手を差し伸べて ガッカリする
歪んだ気持ちに 溜め息をつき
成熟したのだと 想う
ゆらゆらと うとうとして
ただ眺めていた その行方
白い髪が 棚引いてゆく
間近に迎えた 死神の
鎌が降り下ろされている
ゆらゆらと うとうとして
真っ赤に染まる夕焼けは
余すことなく 全身に
その温もりを叩き付け
ポトリと落ちた 手の甲に
蜻蛉が 足を 停めた