円の面積と円周の求め方
「うーんと…」
「おや、テンゴク。宿題で何かお悩みでしょうか?」
「あっ、ジゴクちゃん。そうなんだよ。算数の公式なんだけどさ、何度覚えてもまた忘れちゃうやつがあって…」
「ふむ。それは奇怪極まりなく。テンゴクの記憶からこぼれ出すとは不可思議千万に御座います」
「いや、わりとよくあることなんだけど…」
「なんと!?」
「ちゃんと理解できてないとさ、公式だけ覚えても駄目なんだよね。すぐに忘れちゃう」
「それは一体どのようなものに御座いますか?」
「これなんだけどね」
円周=直径×3.14
「なるほど。確かに珍妙な言葉…」
「うん。真ん丸の円の回りの線の長さは、円の直径に円周率の3.14をかけると分かるっていうだけの式なんだけどさ」
「ふむふむ。これは何とも興味深き…」
「直径に円周率をかけるのか、半径に円周率をかけるのかでよく間違っちゃうんだよね。何か良い覚え方ないかな?」
「半径とどうして間違えやすいのか、心当たりは御座いませんか?」
「あっ、円の面積の求め方がね…」
半径×半径×3.14
「なるほど、こちらと混同するので御座いますね」
「うんうん」
「円周率というのは誰かが調べあげたものなので御座いましょうか? まず、これの信憑性を疑うべきではありませぬか?」
「あ、それは誰かがちゃんと調べて円周率は3.14ってなってるみたい」
「ふむ。その数値の根拠は推し測れませぬが、円周の長さが直径に円周率をかけて求める理由ならば分かりました」
「ええっ? 本当!?」
「はい。まずは紙と鉛筆をお貸し下さい」
「はい、これを使って」
「では、いざっ!」
「はい。これで如何で御座いましょう?」
「えっと…」
「四角形で考えると分かりやすいので御座います」
「ああ! 四角形だったら辺は4本だから直径かける4だもんね!うん、見たら分かる!」
「4を3.14なる円周率に変えれば円周で御座います」
「なるほど。それじゃあ円の面積は…」
「半径かける半径とはつまりるところこの塗ってある部分の四角形の面積で御座います」
「それが4つで四角形の面積になるんだね!」
「然り。それが4つではなく3.14個であれば円の面積となるので御座いましょう」
「そっか!四角形なら4だけど、4を3.14にして考えると円になるんだね!」
「少しはお役立てましたか?」
「勿論だよ! ジゴクちゃんありがとう!」
「えへへ」
この考え方が適用できるのは円柱までですね。
球になるとよく分かりません。
ちょっとした思い付きで始めた算数教室の企画ですが、続けていくかは未定です。