大統領演説
「アメリカ国民の皆さん。今日、私は重大な事を伝えなければなりません。既に報道されている通り、本土及び国外の合衆国軍施設や基地がロシアによる核攻撃をうけました。被害は現在の所、29ヶ所の施設と基地が壊滅的打撃を受け死者、行方不明者は現在集計中ですが膨大な数に昇ることが予想、または確実視されています。現在、ヨーロッパ、北極海、中央アジア、極東に展開中の合衆国全軍及びNATO軍に対しデフコン1を発令。ロシア国内外の軍事目標に対しロシア連邦軍による協力のもと、通常兵器による攻撃を加えています。今回のロシアによる攻撃は、計画されていたものではなく、1人の将軍による偶発的かつ独善的な越権行為が招いたものでありロシア政府の行動、もしくはロシア国民の総意によりもたらされたものではない、と合衆国政府は考えています。その証拠として今回の攻撃は当初、都市への攻撃も含まれていたものでしたが、弾道ミサイル発射阻止のため行動したロシア連邦軍による自己犠牲、そして英雄的行動により最小限の被害に抑えられたともいえるでしょう。そしてロシア政府とも同様の結論に至りました。前述した通り我々も、ロシア連邦軍基地に対し攻撃していますが、これ等の攻撃はその将軍が再度の核攻撃を行えないようにする為のロシア連邦軍による軍事作戦への支援の一部であり、ロシア国民、並びに同政府、同軍に対するものではありません。そして現時点をもちロシア国内外の目標に対して、行われている作戦の終了、作戦行動中の全部隊の撤収、並びにデフコンレベルの引き下げを命令します。これらは全て大統領令12180号及び、国家安全保障行動覚書(NSAM)第842号に基づき、ただちに履行されます。既に彼らは代価を支払いきりました。私達には報復することはできますが、しかし攻撃をエスカレートした場合,後にはいったい何が残るのでしょうか?私達には一方的にロシア国民の命を奪う権利は、全くないのです。これらの事を理解した上でこの放送を聞いているアメリカ国民、ロシア国民にお願いがあります。それは、一時の感情に流され取り返しのつかない判断をしないようにしてください。一度、自分の中の良心に問いかけてください。一度、その手に持っているプラカードを下げてください。既に戦争は終わりました。我々、勿論ロシア政府も含め、これ以上戦火を広げる意思がないことをここに宣言します。今回のロシアの攻撃、そして我々アメリカの攻撃により多くの人命が失われました。これ以上の損害を双方の国民が望んでいるはずがないのです。
この放送を聴いている全ての兵士諸君に、一人の人間として願いがあります。今すぐ祖国に帰り、傷ついている人々に手を差し伸べてください。憎悪を無くすべく努力をしましょう。戦いで生まれた憎悪は戦いでは、消えません。もし消えるのであれば私はよろこんで戦争をしましょう。しかし、決して消えず、ただ敵に憎みを植え付けるだけでなく、その憎しみは、いつか我が身に降りかかるのです。憎しみは憎しみで消えることはなく慈愛と良心でのみ、浄化することができるのです。そして最後にロシア政府をはじめとする各国政府に提案があります。もう一度、平和についての話し合いをしましょう。これ以上の国家間の緊張は、誰も望んではいません。いったい戦争は我々になにをもたらしたのでしょうか?繁栄でしょうか?いいえ、戦争は死と憎悪を撒き散らし、人々の良心を鈍感にしてきました。戦争が問題の抜本的解決策には決してなり得ないのは、歴史を振り返れば明らかです。私達、アメリカ合衆国が今まで世界で行ってきたことを振り返りましょう。ヒロシマ、ナガサキ、ドレスデン、ベトナム、イラク、…とても言葉には表せない惨劇、悲嘆の数々。今彼らの悲しみが訴えかけます。我々は世界と建設的な関係を築けてきたでしょうか?我々は傲慢になりすぎていたのかもしれません。自らを弱い存在と認めましょう。弱いことは決して悪いことではないのです。そして核兵器についての話し合いを始めましょう。今回の事件で世界は改めて核の恐ろしさと無益さを学びました。過ちの根本には恐怖があります。我々アメリカ政府は困難を乗り越え、恐怖を取り除く準備が出来ています。現在、世界規模でこの事態を収束するための大きな(偉大な)力が働いています。これは世界が破滅を防ぐための団結です。私はあえてここで、「アメリカに神のご加護を」とは言いません。もう一度宣言します。戦争は終わりました。ここに約束しましょう」