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気が滅入る
《サイド:御神涼》
(…さて、と。)
ひとまず兄上が入院している病院にはたどり着いた。
(だけど…。)
気が進まない…と言うか、気が重い。
ただ兄上にあって話をするだけなのに、
病院に入った瞬間から心臓の鼓動が一気に加速し始めた。
(はぁ…。)
気が滅入るというのはこういうことを言うのだろうか。
一歩一歩進むごとに胃が痛くなってくる。
(ここで退き返して帰りたいな…。)
それが出来ればどんなに幸せだろうか。
何もかもなかったことにして忘れることが出来るのなら、是が非でもそうしたいと思う。
(まあ、無理だけどね…。)
今更言い訳をしても手遅れだ。
すでに僕の運命は決まってしまっているから、
ここで落ち込むのは時間の無駄でしかない。
(覚悟を決めよう。)
どんな罵倒も受け入れる。
そう決めて兄上の病室に向かうことにした。




